【刀剣乱舞】これから、風が吹き始めそうなので 参

風が三十一立ち ページ32

結局、あのまま話は自然消滅してしまって


話題は新刀剣男士や新しく鍛刀できるようになった刀剣男士の話へ






右から左へ色んな話が抜けていくが、正直知らない話ばかりだった




刀剣男士関係の時事ニュースは

チェックするようにした方がいいのかもしれない、なんて気づかされる








「って聞いてる？」



「はぁ、こいつも戸惑っているだろう......


あんたはせめて主語を付けて説明するべきだ、主語を」






「あ、ごめんなさい。そういう話は疎いもので」








`まあそっか、大変だったもんね`と言って、彼女は外をちらりと見やる



その動作に連れられるようにして同じように外に目を向けると






＿＿＿＿＿＿空が朱に染まり、人通りも少なくなっているのが見えた









やばい、確実にやばい



加州には`夕方には帰る`と言ってたのだ








「やはり......ここに居ましたか」


「主、早く帰らないと燭台切と歌仙が怒ってるよ......？」







暖簾の向こうから、じとっと見てくるのは左文字の皆


ふっと笑った宗三は、`まぬけですね`と毒を吐いた





ひょっとして、迎えにきてくれたのだろうか








「お迎えも来たみたいだし、私達はお暇するよ」






「おや、演練で当たった方じゃないですか

主が随分と、お世話になりましたね」



「そっか、宗三も演練行ってたもんね


......桜さん、今日はありがとうございました!!」








お勘定を済ませて、桜さん達と分かれる


これからどうしようかと考えながら、左文字の隣に並んだ




迎えに来てくれてありがとう、と言えば笑って返してくれる







「僕たちは燭台切に頼まれてきたのですよ


ああ、たしか`お説教かな......？`とも言ってましたね」







......宗三以外





何なんだ


彼は毒しか吐くことができないのか







「あ、ちょっと待って！」


「桜さん？」







ぱたぱたと走り寄ってきて、`言い忘れてたや`と笑う





とんだお人好しだ


言い忘れただけで、走って来てくれる彼女は









「自分のも彼らの生活をも左右する決断になるけど


......これだけは覚えておいて




自分のことより、誰かを思いやれるあなたなら、絶対に皆が幸せになれる決断が出せれるから」




「ありがとうございます......!!」









桜さんに出会えた私は相当幸せ者だ

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