風が四十七吹き ページ49
「随分と強情なのですね
.......俺はへし切長谷部といいます
主命がないと何もできないような、しがない刀剣ですよ
どうせ主命が貰えない俺は、その辺の鉄の塊に違いありません」
ため息を吐き出すように彼はそう言った
主命.......って、審神者からの命令のことだろうか
「でも、そんなものにすがらなくても」
「あんたは分かっていない！
審神者から主命をもらうのが全てだった俺から、主命が奪われる気持ちがわかるか？
`必要ない`と言われて、前任から捨てられた俺の気持ちが!!
.......初代の主のときは主命があったから、俺の存在は満たされていた
だけど、今はどうだ？
主命ももらえず、部屋に引き籠ってばかりの俺に果たして`存在意義`なぞあろうか!!!」
成程、彼＿へし切＿は主命がない自分に『存在する意味』を見いだせないんだ
ただ、たんたんと生きてきた人には理解できないけど
人は程よく成長したときに
壁にぶつかったりして、自分のちっぽけさを嘆いたりする
へし切もその一人だ
「あなたの存在意義なんて、やっぱり私には分からないよ
けど私も人と比べたりして、自分に絶望することもあったから気持ちがよくわかる
真っ暗で、自分がどうしたらいいのか見えなくて.......不安で不安で仕方ないよね」
やっと、こっちを向いたへし切と目が合った
「けど、存在する理由って.......
大切な人、自分を認めてくれる人が悲しんでしまうから
死ねない、っていうのはダメかな」
「そんなものですか.......」
「そんなもんだよ」
そこに生きてるだけで、十分意味はある
ただ息を吸って、日向ぼっこしているだけでもいい
誰かを悲しませないために、きっと私たちは生きているんだ
「.......そうですか、何故だかすっきりしました
で、わざわざ私を訪ねてまで聞きたいこととはなんでしょう、主」
そういって、彼は小さく笑った
単純なことでいい
単純なことにちゃんと意味はあるから
「初代の審神者について聞きたかったんだけど」
「それなら、鶴丸国永に聞くといいでしょう」
.......どうやら、たらいまわしにされるらしい
でも、鶴丸を探す前に彼をを手入れしないと
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月夜桜(プロフ) - 失礼致します、「風が二十九吹き」が非公開となっているようです。 (2018年6月30日 9時) (
レス) id: 02630f3ef1 (このIDを非表示/違反報告)
AKASAN(プロフ) - とても面白いです！更新楽しみにしてます、頑張ってください！！ (2018年6月29日 13時) (レス) id: 1168bef346 (このIDを非表示/違反報告)
きの(プロフ) - 面白いですね！これからも頑張ってください！あと、方便ではなく、方言ではないでしょうか？間違っていたらすみません。 (2018年6月25日 0時) (レス) id: e253f59a3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：露草浅葱 | 作成日時：2018年5月22日 15時
