風が二十二吹き ページ24
`そういえば`と疑問がこみ上げてきた
「どうして、こんなになるまで放っておいたの?」
ここまで酷くなる前に、私を訪ねることだってできたはずだ
やっぱり、彼らも`どうせ人間なんて`と言う人たちなのだろうか
「別に放っておいたわけじゃないよ?.........ただ、ね」
あたかも`続きは自分で言う?`という風に、国広は山伏に視線を投げかける
`そうであったな.....`と言いながら、彼は申し訳なさそうに眉尻を下げた
「主殿にこうして迷惑をかけたこと、済まないと思っている
本当は、迷惑をかけまいとしてたつもりが.....まさに本末転倒であるな」
「迷惑って、そんな.......」
まだ完全には回復してないようで、布団の中で苦しそうに笑う
その姿に、胸がギュッと握りつぶされそうだった
≪`どうせ人間なんて`と言う人たちだ≫と思ってしまった、数秒前の私をの殴りたい
勝手に偏見とか持って、全てを知らないうちに決めつけてしまっていたのは私の方じゃないか
「.........元々、あんたを訪ねるつもりはあったが、ずっと忙しそうだっただろ?
だから、兄弟が`今度行こう`と日にちを引き延ばしてるうちに、こうなってしまった
本当は俺が無理やりにでも、連れていくべきだったんだ」
`それができなかったのは、俺が写しだからか......?`と
布を深くかぶり直した青年が低い声で呟く
写し......とか、関係あるのか?
「そっか......そんな風に思ってくれてたんだ。ありがとう
私だって皆に迷惑をかけることもあるし、迷惑ってかけるためにあると思う
それに、よそよそしく遠慮されることほど苦しいものはないよ......ね、国広」
丁度近くにいた、和泉守の傍の彼に声をかけたはずが
山伏、布を深く被った青年も反応した
「え?」
「「あっはははは!!!!」」
和泉守、加州、大和守の三人が、突然笑い出した
え、和泉守が彼のことを`国広`と呼ぶからそれが名前だと思ってたんだけど.....
何が可笑しいのだろうか
「ごめんごめん、まだ自己紹介してなかったね......僕は堀川国広です」
「拙僧は山伏国広と申す!!」
「俺は山姥切国広......」
......ちょっと土に埋まってきてもいいですか
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月夜桜(プロフ) - 失礼致します、「風が二十九吹き」が非公開となっているようです。 (2018年6月30日 9時) (レス) id: 02630f3ef1 (このIDを非表示/違反報告)
AKASAN(プロフ) - とても面白いです!更新楽しみにしてます、頑張ってください!! (2018年6月29日 13時) (レス) id: 1168bef346 (このIDを非表示/違反報告)
きの(プロフ) - 面白いですね!これからも頑張ってください!あと、方便ではなく、方言ではないでしょうか?間違っていたらすみません。 (2018年6月25日 0時) (レス) id: e253f59a3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:露草浅葱 | 作成日時:2018年5月22日 15時