帰る場所護る場所 (ページ24)

今日:7 hit、昨日:8 hit、合計:53,228 hit

ソノヒ×ノ×ヨフケページ24

Aは久々に8キロ以上の衣装を見に纏い歩いたことで疲れたのか、酒盛りをする中で眠ってしまった。

コンクリートむき出しの地べたで眠るAの頭の下にはクロロの膝、小さくうずくまって眠る体の上には、クロロの仕事用コートがかけられていた。

マ｢で？実際Aを見てどう思ったんだい？団長。｣

酒の入ったマチは普段以上に辛辣になる。

ク｢もういいだろ。勘弁してくれよ。｣

マ｢何言ってんだい。この子が起きているうちは、散々後でってはぐらかしてたくせに。｣

パ｢確かに、ちゃんとした答えは聞いてないわね。｣

昔からの付き合いであるせいか、2人は容赦なく食い付いてくる。

マチはかなり真剣な顔をしているが、パクノダはとても楽しそうにしている。

ク｢なんで今日に限ってパクノダまで乗り気なんだ。着いてないな。｣

パ｢あら、大切なAの為だもの。それに、面白いじゃない。あたふたしてる団長なんて、滅多に見れないわ。｣

フ｢確かに、Aが来てから表情が増えた気がするな。｣

ノ｢我らが団長の初恋かあ。おめでたいじゃねえか。｣

年上組にからかわれるクロロは、酒を煽った。

ダンッ

瓶が勢いよく床に叩きつけられた。

パ｢あらあら、団長ったら顔真っ赤よ。｣

ク｢自分でもよく分からない。けど、｣

ウ｢けど、Aの為に宝刀盗りに行くくらいだからなあ。そういう事だろ。俺はいいと思うぜ。｣

ウヴォーギンは、豪快に笑ってビールを飲んだ。

ウ｢たまには素直になれよ団長。いや、クロロ。｣

ク｢このタイミングでそれはずるいな。ウヴォーさん。｣

ウ｢ハハハッ、気にするな。｣

マ｢で？今日のAを見てどう思った？｣

先程まで黙っていたマチが、また入り込んでくる。

クロロは、やけくそになったのかぶっきらぼうに告げた。

ク｢びっくりしたよ。あんなに美しい人間がいるとは思えなかった。あまりに綺麗すぎて俺なんかが近づいていいのか不安になるくらいだ。｣

マ｢それならそうと言ってやればいいのにねえ、パク。｣

パ｢あら、そうかしら。Aには十分伝わってたんじゃない？あんなに喜んでたのよ。｣

パクノダはクロロに褒められたあと駆け寄ってきたAの姿を思い出した。

『おかえりなさい、パク、マチ。今ね、クロロに褒めてもらったのよ。似合ってるって。』

満面の笑みはクロロの言葉を心の底から喜んでいることを物語っていた。