ヤネウラ×カラ×シセン ページ3
ノブナガ、フィンクスは絶の状態で宝石のいる部屋の屋根裏にいた。
気配でバレることはない
余程の使い手でない限りは。
そう思っていた。
しかし、真下の女からの視線を感じている。
「どうかしたかい、A。随分と心ここに在らずじゃないか。」
『何か居るかと思いんしたが、ネズミでありんしょ。わっちの事はお気になさらず。さ、飲みなんし。』
「そうか、そうか。ネズミなら大した心配はいらないな。酌をしてくれ。」
『あい、失礼いたしんす。』
「お前に会うために半年働いたんだ。半年の間寂しかっただろう。」
会話しか聞こえないが、視線が消えた今も、女から威嚇するようなオーラが流れ出ている。
本来なら1度クロロ達と合流して、策を練直すのがいいのだろうが、慣れない行動をしている上に、狭い屋根裏で満足に身動きが取れず、どうすることも出来ない。
「そうだ、Aにプレゼントを持ってきたんだ。」
『へぇ、なんでありんしょう。』
「世界で最も美しいと呼ばれる色が幾つかあるんだ。その中にクルタ族の瞳が入っていてね。」
酒で上機嫌になった男がベラベラと喋り出す。
「緋の目とも呼ばれているんだ。Aの瞳には劣るが綺麗だろう。どうだ、気に入ってくれたか?」
女はひたすら黙っていた。
「A、どうかしたかい。気に入らなかったか?」
『こんな綺麗なもの初めてでありんす。』
「そうか、それは良かった。」
男は心底嬉しそうに笑い出すと、荷物をまとめ立ち上がった。
その瞳には言いきれぬ悲しみの色が浮かんでいる。
「それじゃあな。」
『あい、お送りできず申し訳ありんせん。』
「構わんさ。多目に支払っておくから好きに使いなさい。」
男は足早に部屋から出ていった。
残された女の表情は屋根裏の2人からは伺えなかった。
残り70時間
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カナ(プロフ) - ほんとにこの作品大好きです何度も読み返してます。また更新されるのをずっと待ってます! (2020年8月28日 12時) (レス) id: 653b7cacce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆうたそ | 作成日時:2019年11月25日 20時