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第9夜 ページ10

「で、あんたらどうしなすんで?」




さっきから無言で姐さんの足に包帯代わりの布を巻きつけていると話しかけてきた。




「…とりあえずもう一度あちらまでお願いしんす」




「なァに、怒ってるんでさァ」




「別に」




黙ったかと思いきや、思いっきり来る途中で買った水を掛けられた。




「…何すっ!!」




「火傷。そのままだと傷になりやすぜ」




さっき姐さんを連れ出す際に、火を踏むのも厭わず走ってきたため、足は赤く爛れてしまっていた。




「…どうも。許してませんからね」




姐さんの処置も終わり、先に箔雨を車に乗せ、あたしも乗った。




「姐さん…?」




何故か車に乗ろうとしない姐さんに声をかける。




「やっぱり、あたし行けない」




普段見たことのない弱々しい姐さんに驚きつつ、何故姐さんがこう言っている理由をあたしは知っている。





「大丈夫。姐さんだけ置いて行けない」





そう言って、姐さんを車に乗せ、今来たばかりの道をさっきよりも大人数で帰っていく。

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作者名: | 作成日時:2018年7月28日 16時

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