第41夜 ページ42
「そうやって言うから、こっちはわざわざ酒のまずに来てやってんの」
「まず未成年がお酒飲む時点でありえないから」
「お前が言うなっての。俺と同い年だろ」
「だって仕事だもん」
本当にラク。気を張らなくって良いから。
「…それより、不審がられてる。おまわりさんが女郎なんて買ってたら、信用失うんじゃない?」
「吉原以外は違法でさァ。ま、あんま注目浴びるのもアレだからなァ」
「うっわ!!何するの!!」
「もっと色気のある声出せねェのか。仮にも女郎上がりが」
「色気求めるんなら、もっと丁重に扱ってくれる!?あたしは米俵じゃない!!」
よくあるお姫様抱っこ、とかでは無く、米俵の様に肩に担がれた。
そうして、そのまんま我が家まで走って誘拐された。
「…鍵開けるの難儀なら下ろしてよ」
「うるせェ」
家の前に辿り着いたものの、肩に女一人乗せたまま鍵を開けようとしているため、中々開けられなくて困っている。
「お、開いた」
扉が開いたと同時に投げこまれた。
「痛った…。車の時といい、粗雑すぎ」
大量に着ている着物のおかげでそこまで強打したわけじゃないが、恨めしく見上げる。
「重いんでさァ。もう少し体重減らしたらどうなんでィ」
汗一つかいてない顔で良く言う。
そのまま、家の扉を閉めた。
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作者名:紫 | 作成日時:2018年7月28日 16時