終幕道中【銀魂】 (ページ37)

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第36夜ページ37

「何考えてんだい。花魁道中だなんて、子供が憧れでもしたら困るよ!!」

これから雨三姉妹が道中する予定の道の端で、子連れの女が文句を言っている。

「文句言うなら、見に来なきゃいいだろうがよ」

土方がタバコの煙をもうもうとさせながら、溜め息を零す。

でも、道中は良い物という訳ではないが、煌びやかな女たちの姿を一度は見てみたい。というのもわからなくは無い。

普通なら、そう簡単に見られるものではないこともまた事実。

実際、この辺りに住む多くの者が噂を聞きつけ見に来ている。

「トシ、総悟。しっかり目に焼き付けとけよ。これが彼女たちの本当の姿だ」

普段理解できない行動が多い近藤だが、こういう時は曲がりなりにも局長という立場なんだ。と思わされる。

何を思ったか、沖田が文句を言っていた女の元へ歩いていった。

心配し、土方が後を追おうとするが、近藤が制す。

「トシ、大丈夫だ。あいつはいつもあんな風な振る舞ってこそいるが、ちゃんと考えてやってる。ほっといてやれ」

そう言われ、仕方なく近藤の横に就く。

「大体、元女郎の女を嫁に取るなんて。しかも年増ときてる」

「まァ、そう言わねェでくだせェ。奴らは奴らなりに苦労してんでさァ。これは区切りで」

「区切り？一体何の」

「終幕だよ。花魁道中じゃない。これは“終幕道中”だよ」

そうして、3人の「終幕道中」が始まる。