第26話 ページ27
「あ、銀時の旦那？少し迎え遅くなります」
旦那に電話をかけ、遅れることを伝えた。
「大丈夫だったか？」
「今、神楽ちゃんとお昼寝してるから、長く遅れても大丈夫って」
「そうか。寝てるとは言え待たせちまって悪いな」
また、眉間に皺寄ってる。
「最近暑くなってきたから、氷でも連れてってやって下さいな。それで充分喜びますよ」
そう言って目的の店へと歩き出した。
姐さんの道中の為、飾りを探していて見つけた、こざっぱりとした飾りの多い店だ。
『そっちの派手な方がいいな!!』
店で近藤さんに電話を繋ぎ、飾りを選んでいるのだが近藤さんは派手な色ばかり選ぶ。
これじゃあ埒が明かないと思い、あたしも店を回って色々手に取っていく。
『お!!これがいいな、これにしよう!!』
「近藤さん、流石にこれは派手じゃねェか…」
流石とも言うべきセンスに土方さんも引いてしまっている。
「もう、近藤さん。ゴテゴテしてれば良いって物じゃあないんですよ。こういう主張しすぎない控えめなほうが…」
やっと丁度良さそうな飾りを見つけて、見せようと画面の中を覗き込むと、予想していた濃い顔。ではなく、童顔…。
「え、なんで沖田さん!?」
『それはこっちの台詞でィ。もしかして、土方さん一人で行けなかったんですかィ？恥ずかしくて』
真っ黒な笑みを浮かべ、画面越しに伝わるヤバさである。
それと同時に不穏な空気が流れる。
「これでいい!?近藤さんこれでいい!?」
『お、おう…!!それで頼んだァー!!』
喧嘩をおっ始めた2人に押されながら、なんとかあたしの選んだ物に決定。
「奥さん、それで決まりかい!?」
奴らのデカイ声は奥の店主にまで聞こえていたようで、ハラハラしながら見に来ていた。
店主はあたしから飾りを受け取ると困ったように言った。
「奥さん、お宅の旦那外に出してくれよ。客がビビッて帰っちまう!!」
あたしとこの人は夫婦じゃないけど、この際どうでもいい。
「あんた!!先出て行っとき!!」
背中の方から外へ蹴り出した。
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作者名：紫 | 作成日時：2018年7月28日 16時
