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第2夜 ページ3

気づいた時には銃弾が振り始めていた。



唯一弾を防ぐことのできる傘を持つ神楽も気づくのに遅れ、もう手遅れだった。



全員が身構えたが、感じたのは僅かな風と華の甘い香りのみで、体を打ち抜かれるような感覚に襲われることはなかった。



「早う逃げなんし」



この地上に似つかわしくない口調に思わず目を見開く。




目の前で攻撃を見覚えのある傘で防ぐのは、地上に居るはずの無い。




いや、居てはいけない筈の“遊女”だった____。




弾さえ尽きれば制圧するのは容易い連中だった。




「土方さん。なんで“地上”に遊女がいるんでさァ。まずくねェですかィ」




「まずい所じゃねェだろ。しかもあの傘…。夜兎だ」




いつの間にやら女の肩に掛けられた傘は色は赤でこそあるが神楽のもつ“ソレ”だ。




傘で顔や表情こそ見えないが、もし血を見て夜兎のスイッチが入ってしまえば、状況は最悪の上を行く。




急な襲撃者をなるべく傷つけることなく慎重に片付けていく。




沖田も状況を察知して、慎重だ。




「…この男達、この後どうなりんす」




突然女が口を開いたため、土方は驚き、つい身を硬くする。




「この男達は、人殺しでありんす。あたしの姐さんを殺しんした」




「俺たち真選組が責任を持って連行する」




土方の額に汗が流れた。

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作者名: | 作成日時:2018年7月28日 16時

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