第13夜 ページ14
「なんで、デート先が動物園?いい年なんでしょ?」
土方さんが納得できなさそうに言っている。
「あたしら女郎には憧れなんし!!」
「近藤さんー!!なんでこんな檻に入れられてるんでさァ!!近藤さん!!」
「煩い!!姐さんにバレる!!静かにしなんし!!」
「総悟!!それは近藤さんじゃねェ!!ゴリラだよ!!」
どうして姐さんのデートを見守る為にこんな大所帯なのか。
箔雨だけ連れて行こうかと思ったのだが、なにせ外の世界には疎いので、茶屋の帰り道に沖田さんに一緒に尾行してくれと頼んだのだ。
そうしたら、流石に子供相手に飴の件はやりすぎたと思ったのか、承諾してくれた。
土方さんは、沖田さんの見張りだそうだ。
「兄ちゃん、見えない」
「あ?しゃーねェなァ」
沖田さんが、箔雨を肩車してくれている。
意外とやさしい部分もあるじゃないの。でも!!
「今はバレる!!やめなんし!」
「いいじゃねェか、もう。あのチビ初めてなんだろ?はしゃぐのも当然だろ」
「あぁ、もう!!好きなようにしなんし!!」
早々に尾行は諦め、動物園を楽しむことにした。
「あ、紫雨、箔雨」
「姐さん…!あの、尾行とかしてた訳じゃないの」
あわあわと否定するも、尾行してましたと自白しているようなものだ。
「いいのよ。今日、泊まっていくから2人でご飯済ましておいて」
じゃあ、と言って姐さんは歩いていった。
「何するの??」
あたしが答えてくれないのを知ってか一番教えてくれそうな沖田さんに聞く。
「そりゃ、決まってんだろィ」
「「ここから、子供は聞いちゃいけません!!」」
つい、手が耳を塞いでしまったのはあたしだけでは無い様だった。
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作者名:紫 | 作成日時:2018年7月28日 16時