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Chapter3 ページ4

「私は部屋に戻るけど、薬ちゃんと飲むんだよ?おかゆは残してもいいから少しでも食べること!」
「キミは私のお母さんか?わかってるよ、ありがとね」


あの後、高熱の所為か服の裾をキュッと握って甘えてきた彼はそのままスヤァ、と寝落ちた。
離れようとすると身動ぐので「離れたらコイツ起きる」と思って、力が抜ける深い眠りにつくまでそこから動けなかった。

傑は元々寝付きが悪いのだろうか。
力が抜ける深い睡眠に入るまで、一時間半くらいかかっていた気がする。


何はともあれ、開放された私はそそくさとおかゆを作り、軽く部屋の掃除をして換気を済ませ、その後は特に何をするわけでもなく携帯をいじっていた。


結局、傑は30分くらいしか眠れていないようだったが、先程よりは元気があるのか応答はハキハキとしており、「キミは私のお母さんか?」と突っ込めるまで回復した。


ならば安心だが、そういえばこの子は私が甘やかしているあとってどうなるんだろうか?
無意識に甘えていたとしても、それが我に返って「甘えてしまった!」と認識したとき、どういう感じなのだろうか。
─────気になる。



「ね、傑」
「何だい?」
「やっぱもう少しここに居てもいい?」
「え、どうして?」
「心配だから」




心配はしてるので嘘は言っていない。
ただちょーっとゲスい考えがあるだけで。




「……やだ」
「え゛」



素直に傷ついた。
断られる…と、思ってはいたけど実際断られるとダメージが大きいというか。


「あ、いや、すまない。その…今更だが……。遷したらいけないだろう?」
「今更だな!?気にしないでよー!」
「気にするよ。それに男子高生の部屋に女の子が長居とか、一般的にどうなんだい?」
「何?傑くん私をそんな目で見てるの?」
「は???」
「ごめんウソ。ドスの利いた声出さないで」



シュン、として「遷すのは悪いから」と言う傑は小動物のように可愛かった。
きっとまだ居て欲しいのだろう。
素直にお願い出来ないあたり、天邪鬼というかなんというか。

しかも"同級生"とかではなく"女の子"として見てくれる。
これが悟だったらまず見てくれない。
アイツが同級生を"女"として認識するのなんてそれこそ好きな人が出来たときくらいだろう。




「はー、わかったよ!じゃぁ部屋に戻る!バイバイ、傑」
「……うん、またね」





─────寂しいならそれこそそこで
甘えてくれればいーのにねぇ。

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設定タグ:呪術廻戦 , 夏油傑   
作品ジャンル:アニメ
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無胤(プロフ) - ツバメさん» 伏黒甚爾ことパパ黒との出会いは終えてなくてこれからです。夏油さま生存ifの予定ではなかったのですがご要望とあらばパパ黒と夏油さま生存ifにしてみます。 (2022年3月2日 20時) (レス) id: 0e0c1513ad (このIDを非表示/違反報告)
無胤(プロフ) - セツナさん» 夏油さまの甘えは最高に可愛いと思ってます。神作とは…光栄です。ありがとうございます。更新頑張ります (2022年3月2日 20時) (レス) id: 0e0c1513ad (このIDを非表示/違反報告)
ツバメ - 傑の甘えには面白いと思いますけどこの感じだと伏黒甚爾との出会いは終わっちゃってます? 甚爾生存で傑も含めさしす組と他の人皆との絡み見て見たいです (2022年3月2日 19時) (レス) @page5 id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
セツナ(プロフ) - 可愛いすぎません???神作すぎます!!最高ですッッ!!続き楽しみにしてます!! (2022年2月4日 3時) (レス) id: 2ea77c9340 (このIDを非表示/違反報告)
無胤(プロフ) - 甘木さん» 彼も立派な男子高生ですが、我慢しないで生きて欲しいですッッッ (2022年2月1日 19時) (レス) id: 0e0c1513ad (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:無胤 | 作成日時:2022年1月30日 0時

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