運命【進撃の巨人】 (ページ5)

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4話ページ5

ﾏﾙｺ視点

かれこれ一時間以上待ってるけど彼女は来ない。
来てくれるわけがないか･･･
そう思って泉を見ていたら足音が聞こえて見るとバイオリンを持ったAがいた。
少し恥ずかしそうに笑ってそこに立っていた。
それから泉の真ん中にあるベンチに座って彼女のバイオリンの演奏を聞きながら本を読んでいた。
たまに目が合うと二人とも少し微笑んでいた。

ﾏﾙｺ「どうして来てくれたの」

『･･･負けたの･･･あなたの気持ちに』

ﾏﾙｺ「えっ」

『私は昔父と母に売り飛ばされたの･･･東洋人だから･･･だから人を信じることが怖かった･･･また裏切られるかもしれない･･･そう思って』

ﾏﾙｺ「･･･」

『でも･･･無理だった･･･あなたの気持ちが嬉しくて･･･私の気持ちは揺らいでしまった･･･』

ﾏﾙｺ「それって･･･僕と同じ気持ちってことでいいのかい？」

『･･･えぇ･･･』

その事を聞いて彼女の目の前に行くと僕を見上げてきた。
そのまま優しく彼女を抱きしめると彼女も僕の背中に優しく手を回してきてくれた。
それから訓練の終わったあとや休みの日に二人でこうして過ごすのが日常だった。
ある日訓練が終わりAのところに行くと女の子となにか話していてそのまま女の子は去っていった。

ﾏﾙｺ「A」

『･･･ごめんなさい』

そう言って去っていく彼女の頬には涙が流れていた。
引き止めることも出来ずただその場に立ち尽くすだけだった。
それから彼女は訓練終わりに僕と会うことを断ってきた。
何を言われたのか気になり女の子に話を聞くことにした。

ﾏﾙｺ「彼女に何を言ったんだい」

女「マルコ君とあなたじゃ釣り合わない･･･東洋人は貴重だけどあなたはただのドブネズミって」

そうかだから会わなくなったのか。
訓練が休みの日に街に行き買い物をして手紙を書き彼女の同室のアニに渡してもらうことにした。