NEW WORLD ～6つの原石～２ (ページ11)

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優吾side

Aに俺たちの事を話しながら、
(しかもジェシーにつっこみながら)
俺は今までの記憶を遡っていた。

父さんはAのネックレスについて、
「ある魔術師の一族の末裔が持っている」
と言っていた。

その「末裔」がAだったわけだ。
そして、その一族は身を隠していると言っていた。
じゃぁなぜAはここにいるんだろう…？

あと…父さんは何て言ってたかな…
確か、あのネックレスは…

そこまで考えて、
父さんのある言葉が記憶から蘇った瞬間、
俺は衝撃を受けた。

俺はとんでもなく大切な情報を
忘れていたのだ。

そして、それが事実だとしたら、
今、目の前にいるこの女の子に
それを語らせるのか…？

その時、俺たちは
何て声を掛ければいいのだろう…？

俺の“夢見”の悩みを
心配してくれる優しい子…。

さっき、お金持ちなのかも？と
Aを少しでも
羨ましいと思った自分をぶん殴りたい。

Aは今、たぶん
頭の中で話す内容を
グルグルと考えているんだろうな…。

「えぇっと…」と口淀むAを見ながら
俺は一つの決意をして、
今まさに自分の事を話そうとしているAを
遮って質問した。

優「あ、あのさ、良かったら、
まずは誕生日と血液型を教えてほしいな。

後は少しずつ教えてくれればいいからさっ」

ジェシーは驚いた顔をして
俺を見た。

ジェ「え…でもさっき
誕生日は必要ないって…」

優「ほら、俺たちも教えたからさ！
まずはそこからと思って！」

ちょっと無理やりだったかな？と思いつつ、
笑顔でAを見る。

Aも、何か考えているような顔で、
俺を見つめた。

ジェシーはそんな俺とAを
ソワソワと交互に見ていた。
こういう時は空気を読んで
何も言わないジェシーを偉いと思う。

そして俺との無言の会話の中で、
Aは俺の意を汲んでくれたようだ。

顔を上げて、
俺とジェシーを交互に見る。

そしてAは申し訳なさそうに眉を下げながら、
でも頑張って笑顔で話し始めた。

A「私の誕生日はね…」

そう言って話し始めたAを見て、
俺は確信した。

君は…やっぱり…