【忍たま】色恋にうつつを抜かせ【短編集】 続

好きだから 1 ｰ平滝夜叉丸ｰ リクエスト作品 ページ17

滝「私の腕前を見よ！！」

乱「は、はぁ･･･」

し「いつになったら終わるのかな･･･」

き「さあ･･･」

乱「あ、あのー･･･」

「あ、きり丸！」

き「ん？あ、先輩！」

「何してるの？」

滝「おやおやおや、Aではないか！君も見たいかね？私の腕前を！！」

「･･･あれか」

A先輩は顔を曇らせてからため息をついた。
察してくれたのか、俺たちの前に出てから話をつけようとする。

「ちょっと滝夜叉丸 うちの後輩になんの用？」

滝「うちの？あぁ、君は図書委員会だったか」

「そっ変に声かけるのやめてくれる？それに委員会に遅れちゃうでしょ」

し「そうだ、僕用具委員会だった」

乱「私も当番が･･･」

滝「うぐっ･･･では誰に聞いてもらえばいいのだ！」

き「あー･･･」

「まあ、私がちょうど暇だから聞いてあげなくもないわ」

そう、A先輩はツンデレな上に高飛車なのだ。
拗らせというのは多分この人のことを指すんだろう･･･。

ちなみに滝夜叉丸先輩のことが大好きなのだ、もちろん片思いだが。
なぜ好きなのかは聞きたくもないし知りたくもない。

滝「おぉ！そうか！聞きたいか！」

「仕方なくよ、後輩に迷惑かけられないし･･･で？何を見せてくれるの？」

滝「私の戦輪の腕に決まってるだろう！多芸多才の私だからな！いや、全知全能？知識の泉を持つ男！！」

「そういうのって器用貧乏とも言えるわよね」

滝「まあそうとも言うな、私の技を見よ！とう！！」

「･･･わーすごいすごい」

乱「あの二人 放置してていいの？」

き「大丈夫だよ、なんだかんだA先輩はあしらうのも上手いし」

二人を置いてそそくさと俺たちはその場を離れる。

先輩が片想いなのはみんなが知ってるし、応援してる･･･のだが、まあ･･･滝夜叉丸先輩だからなんとも言えない反応しかくれないのだ。
先輩が可哀想な程に無自覚にあしらっている。

そんな好意を露知らず、一週間が経った頃。

くノ一教室のみんながワイワイと話していた。
聞けば、他国では愛する人や友達にカードやお菓子を渡す日らしくみんなで共有していたのだ。

き「こうもくノ一教室が盛り上がってるの見ると気が引けるな」

し「なんで？お菓子貰えるのに？」

き「くノ一教室だぜ？毒入ってるかもよ」

乱「うわぁ･･･」

し「･･･そういえばそんなこともあった気が」

「きりちゃん」

き「あ、先輩 どうしたんすか？」

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