無自覚な片想い 1 ー次屋三之助ー リクエスト作品 ページ36
俺は無自覚な方向音痴だ!って言われることがよくある。
確かに、食堂にいこうとすると厠に行ったり・・・長屋に行こうとすると学園長先生の庵にいたりと、そういう節々がある。
それでも俺は自分が無自覚な方向音痴だなんて思ったことはない。
だって迷わず行けるところがあるから。
次「Aー!」
「あ、三之助」
食堂や厠、長屋に行けなくてもAの所へは絶対に行ける。
何故かは分からないけど・・・これのおかげで俺は方向音痴じゃないって思える。
「また私のところに来たんだ、作兵衛が怒ってたよ?どこいったァ!!って」
次「別に探されるほど遠くに行ってないけどなー・・・」
「ここ、裏山だよ?」
次「あれ」
「ぷっ・・・三之助ってば変なのー!あははははっ!」
次「う、うるさいな・・・Aはここで何してたんだよ」
「手裏剣の練習」
次「こんな所で?校庭で練習すればいいのに」
「ほら、人に当たると大変でしょ?」
次「確かに・・・俺腹減ったなぁ・・・」
「仕方ないな、今から食堂行こうか!」
次「行こう行こう!」
手を繋いで学園へ行くのがいつもの日常。
Aといるとすごく楽しくて、ずっと笑顔でいられる。
そんなある日のことだ。
また自然にAの元へ足を動かしていると・・・作兵衛と左門が楽しげにAと話している。
なんの話ししてるんだろう・・・その時 胸がチクリと痛んだ。
次「何してんだ?」
神「あ、三之助!ちょうどいいところに来た!」
富「Aがよォ!」
「ちょっとその話はいいでしょ!?」
富「面白いし三之助にも話してやれよ!」
Aはむくれながら作兵衛をポカポカと叩く。
・・・なんか変な感じ、いつもと違って笑えない。
真顔の俺を見て左門が首を傾げる。
次「何?」
神「いつもみたいに笑わないんだな」
次「なんかそういう気分じゃない、俺長屋に戻る」
富「待て待て待て!一人で行くなよ!!」
次「一人がいいんだよ!じゃあな!」
ムカムカする。
Aは俺以外にもあんな風に笑ったりするなんて知らなかった。
気づけば医務室の前に居た。
またこれだよ・・・。
数「あれ?三之助・・・医務室に何か用?」
次「数馬・・・いや、なんでもない」
数「何か悩み?僕で良ければ話聞くよ?」
次「・・・実は」
数馬に悩みを打ち明けると驚いたような顔になったあと・・・顔を真っ赤にしてニヤニヤとしてくる。
な、なんだよ・・・こんなキャラだっけ・・・?
無自覚な片想い 2 ー次屋三之助ー リクエスト作品→←心美しき 5 ー鬼蜘蛛丸ー
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ユリリン(プロフ) - メリークリスマス。こんにちは。守一郎の話凄く爽やかで彼らしさが伝わってきで面白かったです。勘右衛門の話も読みました。どちらも最高です。素敵な作品2つも読むことができて嬉しいです。ありがとうございました。 (2022年12月24日 11時) (レス) @page47 id: 6ebc36a5f7 (このIDを非表示/違反報告)
ユリリン(プロフ) - おはようございます。返信ありがとうございます。お待ちしています。 (2022年12月18日 7時) (レス) id: 6ebc36a5f7 (このIDを非表示/違反報告)
ルンバ(プロフ) - アズさん» かしこまりました、リクエストありがとうございます!かかせていただきます! (2022年12月18日 1時) (レス) id: 82b205a2b3 (このIDを非表示/違反報告)
ルンバ(プロフ) - ユリリンさん» かしこまりました、リクエストありがとうございます! (2022年12月18日 1時) (レス) id: 82b205a2b3 (このIDを非表示/違反報告)
アズ(プロフ) - こんにちは。リクエストいいですか?夢主ちゃんが尾浜勘右衛門に一目惚れし甘味が好きだと知り評判のお饅頭を買って勘右衛門にアタックする話。勘右衛門も夢主ちゃんに誘われて嬉しくて喜んでいたでお願いします (2022年12月16日 21時) (レス) id: 7fd9378bbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルンバ故障中 | 作成日時:2022年11月14日 3時