日向の幼馴染は陸上部です。Third

まだまだ ページ27

ﾄﾞﾊﾟｯ

澤村先輩が点数を取り返してあともう少しで追いつく

「あと一点っ」

このあと一点に届くまで何分のラリーが続くのか･･･無制限のバレーボールはチャンスなんていくらでもある

だから

「絶対に落とすなっ」

手に力がどんどん篭もる
音駒の人が一方的に弾き返してるようだけど･･･まだ少し怖い気がした、繋げる力だけはある
技術が高い、力がある･･･だからきっと神に祈ったってこの試合は

「･･････負ける」

滝「ゲッまた拾った」

嶋「なんか烏野が一方的に殴ってるみたいだな」

田中先輩はチャンスボールを丁寧に影山さんに返す
ボールが指先に触れる時･･･コートの端には翔陽がもう飛んでいる

打ったボールは乱れて落ちるそう思った

猫「スパイクを打つ方が勝つんじゃあないんだ」

掠れた声が
小さな声が
すっと耳に入ってくる

猫「ボールを落とした方が負けるんだ」

床につくすれすれ孤爪さんが返してコートに落ちる

持ってはいけない･･･掴んではいけない。
それがバレーボールだから、勝ちを得る為には･･････っ

「ボールを･･･落としたらいけない」

烏養監督に呼ばれてコートに戻る
階段を一段一段降りながら考える

「また･･･チームとしてやってもいいのかな」

今まで個人競技に逃げて1人でも生きれると思った、出来ると思った･･･だけど
あのチームを見てると置いてかられないようにと必死になる自分がいた、サーブの練習だって何に関しても今までサボってやってこなかったから

「また･･･できるならチームにっ！！」

踊り場から最下まで飛ぶ
またできるなら･･･みんなと一緒に勝ちをとりたい

そう思った、久々の感じに心臓が痛い。

「うわっ！」

ｶﾞｼｬ-ﾝ

大きな音を立てて階段の下の掃除用具にぶつかって倒れる
音につられてみんなが扉を開けて大丈夫か！？と声をかける･･･やっぱりチームっていいな、仲間って･･･いいな

「だ、大丈夫です･･･」

澤「足まだ治りきってないのか？」

東「これからまた試合やるけど出ない方が･･･」

黒「それは困るよ？」

「すみません･･･」

影「アホ」

「ｳｯ･･･」

孤「大丈夫？」

手を差し伸べてくれたのは私よりも小さくて弱くて細い人
でも試合になるとあんなにも綺麗に輝く･･･できるのであれば私は貴方と戦ってみたい

「あ、ありがとうございます」

孤「捻挫はクセになると面倒だから試合出ちゃダメだよ」

黒「研磨まで･･･」

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