episode42 ページ43
Aは、自分の部屋でぼうっとしていた。
壁に背中を預け、何をするわけでもなく、じっとしている。
何をしていいかわからなかった。
昨日、沢村が帰ってからずっとだ。
ピンポーン……。
不意に、玄関のインターホンが鳴る。
Aの顔が、パッと明るくなった。
「沢村さん!」
弱った足でよろよろと駆け、嬉しそうにドアを開ける。
すると、そこには沢村はいなかった。
代わりに、髪が短く背の低い少女が立っている。
「こんにちは。Aさん、だったっけ」
少女はニッコリ笑って、部屋にあがりこむ。
Aはうろたえ、キョドキョドと色々な場所に視線を向けた。
「あ、心配しないで。変な勧誘とかじゃないから」
落ち着かない様子のAに、少女は苦笑いする。
「沢村さんに頼まれてるの。あなたの面倒みて、って」
そう言い、手に提げていたレジ袋を調理台に置いた。
沢村、という名前に、Aは無条件に安堵する。
「私、三上歌歩っていうの。隣の部屋に住んでるから」
レジ袋から、調味料や野菜を取り出す。
「Aさんが1人で暮らせるように、色々教えるわ。
とりあえず今からお昼ご飯つくるけど、手伝ってね」
そのいくつかを冷蔵庫に片づけながら、淡々と言った。
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夜桜 暁 - 大好きです。『ふぁっきんないすでぃ(・Д ・)』も『毒虫の宴』や『近界民少女は猿嫌い』等の他の作品も。貴方の世界観も。ヴィザ翁を中心にワートリのキャラも。 (2017年11月2日 0時) (レス) id: c5e0ba92a8 (このIDを非表示/違反報告)
璃唀 - あ、何これスゲェ。神作品だ。ハマった(・・) (2015年7月26日 15時) (レス) id: 05e80da987 (このIDを非表示/違反報告)
田中(プロフ) - アクアさん» 新興宗教のひとつですよ〜。信じる者、祈る者は救われる方面のです。 (2015年6月30日 16時) (レス) id: b09e69be34 (このIDを非表示/違反報告)
アクア - 来馬さんは、何の宗教にはまってるんですか? (2015年6月30日 7時) (レス) id: 685eeea938 (このIDを非表示/違反報告)
ムカデ(プロフ) - ストーリーもさる事ながら、話の構成も上手くて憧れますねー(*^_^*)奈良坂さん好きなので是非、頑張ってください! (2015年6月20日 11時) (レス) id: dd1f02b9c4 (このIDを非表示/違反報告)
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