知ってるから ページ2
「………やめて、」
私も流石に殴られっぱなしでそろそろ危ない。
私は声を絞り出して言う
「どうすれば……許してもらえるのでしょうか」
私を先程まで殴ってた人はキョトンとした後盛大に笑い出す
「あひゃひゃひゃひゃっ!!なら、あんたが居なくなれば許すよぉ」
「それか、マネージャーをやめるとか」(笑)
「いや、ゆかりん〜!それは軽いでしょ。」
「あはっ、ねねっち鬼〜」
耳に優しくない声で喋る
高くて、とても気持ちいいとは言えない声
「まぁ、マネージャーやめてくれるんだったらもうしないよぉ」
『マネージャーをやめる』
私はそもそもマネージャーをやりたかった訳ではない。
ただ、私の従兄弟が烏野に居て中々会えないから、マネージャーをやれば練習試合で会えるだろう、という期待からやってるだけだ
まとめれば、従兄弟のためにやってるボランティア活動みたいなものだ
だから、そんな未練や思い出など何もないからやめてもいい。
けど、『やめてもいい』の言葉が口から出てこなかった
喉までは来ているが、口には出ない
それは多分、私は彼奴らの格好よさに気づいてしまったからだろう
あのチャラい主将もバレーをしてるときは輝いていて
副主将だって真面目にしてる
あの無気力で有名な国見だって、頭を使ってしている。
そのプレーに夢中になっている自分を知っているから
譲れないんだと思う
「………それは、できない。」
私はそういって空き教室から出る
きっと明日はもっと酷い仕打ちを受ける。
別に、それでも構わない
私はマネージャーとして彼奴らを見守っていたい、から。
2人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:佐藤@くそメガネ野郎 | 作成日時:2017年9月25日 0時