【ハイキュー!!】マネージャーは今日も嘘をつく

３８話 ページ38

『ドリンクどうぞー』

「おぉっ…！！」

『なんですか…』

「マネージャーだ！って！！」

『そうですか…』


感動的な表情を見せる山本


あれ、なんだかかわいそうに思えていました

今までどんだけ苦労してたんですか…


５％の同情と９５％の無関心が混ざり合った視線を山本に向けながら

他の人にもドリンクを勧める


え、手渡しとかしませんよ、烏野でもしたことないですからね


「ありがとな、助かる」

『いえいえ』


お礼を言ってくれたのは夜久さんだった


さっき自己紹介してもらいましたよ、リベロさんですって

どっかの西谷さんにも見習ってほしい落ち着きですね


誰とは言いませんけど


『お口に合いますかね？』

「ん？あぁ…！！」

『えっ』


この際口に合わなくても
嘘でも「おいしいぜ」って言いそうですけどね


いや、言ってくださいね、ホントに


なんて思いながら何か思い出したかのような
気づいたかのような様子の夜久さんの返答を待つ


「そう言えばこれお前が作ったんだよな…」

『えっ』


どういうことですか、ホントにどういうことですか

それ、どういう感情なんですか


夜久さんの斜め上の返答に疑問が募る


「いや、いつもと変わらない味だったから何の違和感もなく飲んでたわ」

『なるほど…』


『…』


『え？』


なんですかそれ、まるで私の腕がいいみたいな

言われた通りに作っただけですけど


すると、その一言を初めに皆さんが口々に褒めてくれた


なんですかこの状況…


なんだか恥ずかしいような嬉しいような
くすぐったい感情が駆け巡る


『皆さんお世辞がお上手ですね』

「いや、お世辞じゃなくてな…」


『でも』


「？」

『あ、ありがとうございます…』

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