検索窓
今日:19 hit、昨日:27 hit、合計:1,967 hit

# 2 ページ3

.





ふうっ、と一息吐いて椅子に座る。

今日のお昼、どうしようかなぁ ⋯ なんて朝ごはんを作ったばかりなのに考えてしまう。

ふと机の上に目を向ける。





『 ⋯ えっ?! 』





ここにあるはずのない書類に思わず大きな声を上げる。

咄嗟に口を塞いだものの、その声に反応した麦がキッチンから顔を覗かせた。





『 ごめっ、おっきな声出して 』

「 大丈夫ですよ、どうかしましたか? 」

『 うーん、うん ⋯ これ、忘れ物だと思うの私だけ? 』





書類を手に取り、顔の前に出す。

横から覗き見れば、麦も驚いた顔をして少し困ったように笑った。





「 私も、そう思います 」

『 ⋯ 電話、かけよっか 』





はい、との麦の返事に、スマホに手を伸ばす。

着信履歴の一番上に電話をかける。

さっき家出たばっかりだし、追いつこうと思えばすぐだとは思うんだけど ⋯ 。





「 どうですか? 」

『 だめだね、出ないや ⋯ ゆたかまだ寝てるよね? 』

「 はい、まだ ⋯ 」

『 ん、了解ちょっと行ってくるよ 』

「 え? 」

『 鍵かけてね、ピンポンには応答しないこと、帰る頃にまた電話するから 』





ゆづるさんの立ち位置的にも、たった一度の失敗でどうなるか分からない。

それなら早い方がぜ〜ったい、ぜ〜ったいいい。





「 いっ、今からですか? 」

『 うん、ゆづるさんの立場じゃ忘れ物一つで大事かも 』





機捜の隊長、大事な資料の可能性だってある。

棚の中からゆたかがたくさん持って帰ってくるクリアファイルを取る。

資料を挟み、トートバックへ、スマホも放り込み玄関へ向かう。





「 Aさっ、待って待って 」

『 大丈夫だよ、あっベランダも閉じといてね、一応 』

「 違いますよっ!、Aさんが! 」

『 なになに、どっ ⋯ えっ?!なに?! 』

「 危ないから! 」





振り向き、急に隠された視界にまた大きな声を上げる。

頭の上に被さる視界を覆うものをとれば、黒いバゲットハットで。

顔隠しにでも、ってことだろうなぁ ⋯ 麦は優しいなぁ。





『 これでも“ 元 ”警察なんだけどねぇ 』

「 それでも!何かあったら ⋯ 」

『 麦ってば心配性〜 ⋯ ありがとね 』





不安そうな顔の麦に帽子を返すことはできなくて、大人しく被り直す。

まぁ ⋯ 同僚にあっても面倒くさいし丁度いいか。





『 ⋯ いってくる、戸締り任せたよ! 』

「 ⋯ 気をつけて下さいね 」

『 もっちろん、すぐ帰ってくるから 』





.

# 3→←# 1



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (7 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
56人がお気に入り
設定タグ:MIU404 , 伊吹藍 , 二次創作
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:たなか | 作成日時:2024年3月14日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。