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秋本は、ひとつ分あいた、ジョディと女性職員の間に腰を下ろすと、こちらに顔を向けて「すまない、失礼するよ」と微笑んだ。
目が確実に笑っていないその笑顔に、三人は息を呑む。まずい、聞いていたことがバレている。
「食堂にはあまりいらっしゃいませんよね」
片方の女性職員が尋ねると、秋本はうんと頷く。
「いつもは部下に頼んで買ってきてもらうことが多いんだ。サブウェイが多いかな」
「サブウェイ美味しいですもんね」
「お札押し付けてお使いに頼まれるこっちの身にもなってください、秋本さん」
私は貴方の娘や孫じゃないんですからね。
頭上から降ってきた声。今度はジョディもザックも、女性職員二人もカラトリーを落っことした。
からんからん、と虚しく響いた音に開きっぱなしの口。見上げた先、糸川の姿。
「まあそう言うな。お前もサブウェイ仲間だろう」
「いつ仲間になったか知りませんが、私はドトール信者なので」
「裏切ったな」
「ありがたくご馳走させてもらってます」
「い、糸川管理官っ！」
一泊おいて、女性職員がまたも小さく叫ぶ。秋本がニヤニヤ笑っているのをAは一瞥して、ザックの隣、秋本の正面に腰を下ろす。
職員二人はタジタジになっているが、気にする様子もない。
「隣、失礼するね」
「滅相もないですっ！」
「あはは、ごめんね窮屈で」
いつもの表情と打って変わるAの顔に、ジョディたちは引いた。嘘の笑顔が巧いな、とザックがキャメルの方へ視線を逃がす。
降谷もこの手の笑顔がうまかったのを思い出して、秋本をちらりと見る。なるほど、この秋本とかいう男仕込みなのか、と三人は内心手を打った。笑顔が一緒だ。
秋本もAも忙しいようで、手早く食事を済ませると秋本と一緒に一足先に席を去った。
「ごめんね、忙しなくて」
「じゃあ失礼するよ」
Aのにっこり微笑んだ表情は、煌びやかだが飽きのこない微笑み。
秋本のくしゃっとした微笑みは、目尻のシワが百八十五を優に超える巨体を可愛らしく見せる。
その後の女性職員の放心状態と言ったら、目も当てられない程だった。
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ぱーぷる姫(プロフ) - すみません、下のコメントで気が付きました。気づくと鳥肌です！また1から読み直します！ (2022年8月25日 0時) (
レス) id: be661beda4 (このIDを非表示/違反報告)
もちもち - 最高でした。言葉選びとかセンスがツボに刺さりまくりました。赤井と糸川で「赤い糸」になるのも気づいた時に鳥肌止まりませんでした。とにかく最高でした。 (2021年5月5日 1時) (レス) id: b3862cde2f (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 続編お願いします(T_T) (2020年8月8日 13時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
vm - とても、すてきな言葉のセンスから見える世界観がとっても、大好きです！なかなか赤井落ちはないので、ありがとうございました！ (2020年5月1日 0時) (レス) id: d0a5fbaba4 (このIDを非表示/違反報告)
syubyi - いい、、すごく良かったです、、、続きを、、後日談的な続きを、、 (2020年4月11日 14時) (レス) id: 4a176e1186 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：◎たなは◎
| 作成日時：2017年4月4日 23時
