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Ep.38 ページ40

ようやく彼の城へと到着したようだ。
朦朧とする意識を何とか保ち、彼についていく。

ここも…あの匂いがする…。

ロズ「顔色がお悪いようですね…。
馬車の長旅でしたからね。お部屋へご案内致しますね。」

そう言いながら私の腕を引いた。
本当なら今すぐ振り払いたいその手。
嫌に骨張っていて、ボロボロで。
まるでゾンビのようだ…。

部屋へと到着した私はベッドへと寝転んだ。
相部屋とかではなくて本当によかった。


だから…油断していた。


次に目が覚めた時目の前にあるのは絶望だった。

「っ…なに、これ。」

私のいた部屋は客部屋なんかじゃなかった。
牢獄だ。

鉄格子の窓。
扉には鍵がかけられていて。
自由な出入りなど許されないような空間。

「…しくったなぁ。」

天井にはダクトなんかある訳もなく。
朦朧としていたためここが何階なのかもわからない。
逃げようがない…。

すると、扉の一部が空いた。
そこから忌々しい顔がニヤリと笑っていた。

ロズ「あぁ、起きたんですね。良かった。
心配していたんですよ。」

「ロズベルト様…。ここは一体…」

ロズ「私の城ですよ?
いやぁ。あなたの目が覚めてくれてよかった。
一時はどうしようかと思いましたよ?」

その目に心配などという色はない。
その目にあるのは狂気。それだけ。
歪んだ感情がこちらを見つめる。

「……それは、取引材料が比較的使い物になる状態でよかった。ということですよね?」

ロズ「…。
嫌だなぁ。何を言ってるんですか。
あなたは私の妻になる人なのだから」

「妻になる人…ねぇ。
それは一体何人目なのでしょうね。」

彼の顔から笑顔が消えた。
狂気に充ちた怒りにも似た表情。
思わず寒気がした。

ロズ「へぇ……?
あなたみたいな人は初めてだ。
微笑みかければ簡単に落ちてくれるのに。
あなたには他に好きな人でもいるのかな…?

それを消したらどれだけ素敵な絶望の顔が見られるのかな。」

「…外道が。」

ロズ「ふふ。お互い本性を表したところで、私は退散しましょう。やることが山ほどあるのでね。」


扉の窓が乱暴に閉められた。
廊下に響く嫌な笑い声。

「……大先生のナンパの方がよっぽど素敵ですわ。」




鬱『Aちゃん。僕と付き合うてくれへん?
大事にしたるよ?』

コ『何言うとんねん。それ何人目や…』

シャ『いやほんと。長い付き合いだけど毎日のように聞いとるわ…』


「…会いたいな。」

今すぐ帰りたいなんて…
ダメなのに…

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雨々(プロフ) - 桜猫さん» なんと実はここで50話なんです (2019年5月10日 19時) (レス) id: 67d442b3b3 (このIDを非表示/違反報告)
桜猫(プロフ) - あ"あ"ーー!!夢主ちゃぁぁぁん!! (2019年5月10日 17時) (レス) id: b3a762d464 (このIDを非表示/違反報告)
雨々(プロフ) - 桜猫さん» わぁ!!いつも見てくれてありがとう!! (2019年5月7日 20時) (レス) id: 67d442b3b3 (このIDを非表示/違反報告)
桜猫(プロフ) - 眼福だぁ~!♪ヽ(´▽`)/ (2019年5月7日 20時) (レス) id: b3a762d464 (このIDを非表示/違反報告)
雨々(プロフ) - 桜猫さん» いぇいいぇい! (2019年5月4日 10時) (レス) id: 67d442b3b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夕凪 | 作成日時:2019年4月14日 2時

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