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Ep.2 ページ4

聞き慣れた声がする。
私の名を呼んでいる。

そこでハッとした。
いけない。つい没頭してしまった。
周りはだいぶ暗くなっているようだ。
慌てて顔を上げると、すぐ目の前によく見知った顔がニヤついていた。
鼻と鼻がくっつきそうな距離だったため、思わず赤面してしまう。

「っ!!?ゾ、ゾム様!?」

ゾ「ようやっと気がついてくれたんか…。チィーッス!!久しぶりやな!」

長期任務中だった私の上司。
長い髪に隠れた翡翠色の瞳と目が合った。
ゾム様に呼ばれても気が付かないほど没頭していたのか…。

というか…あの…
「近いです…。」

ゾ「俺は顔動かしとらんよ?Aが近づけたんや。」

「ごもっともです……。」

私は体を椅子に預けた。
ゾム様との顔の距離が離れる。
ゾム様は楽しそうにニヤニヤと笑っていた。

ゾ「なあなあ、終わらんの?飯行こうや…」

「もう少しですから…。お待ち頂けませんか?」

ゾ「……嫌や。」

ト「ゾムゥ。Aを困らすなぁ。」

その声に釣られてトントンさんの方を見る。
先程と比べほとんどの書類を終わらせることが出来たようだ。
あと30分もすれば2人とも書類が終わるだろう。

問題は目の前の寂しがり屋だ。
どうしようか…と困っていると、兎はこちらを見つめた。

「な、なんですか?ゾム様。」

ゾ「今回は撫でてくれへんの?」

「…この書類が終わったらいくらでも撫でて差し上げますからお待ち頂けませんか?」

ゾ「いくらでも…?」

あ…これはやってしまったやつかもしれない。
撤回しようにももう遅く、彼はとても嬉しそうに部屋から去っていった。

トントンさんに「ドンマイ。」と励まされた。嬉しくない。

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雨々(プロフ) - 桜猫さん» なんと実はここで50話なんです (2019年5月10日 19時) (レス) id: 67d442b3b3 (このIDを非表示/違反報告)
桜猫(プロフ) - あ"あ"ーー!!夢主ちゃぁぁぁん!! (2019年5月10日 17時) (レス) id: b3a762d464 (このIDを非表示/違反報告)
雨々(プロフ) - 桜猫さん» わぁ!!いつも見てくれてありがとう!! (2019年5月7日 20時) (レス) id: 67d442b3b3 (このIDを非表示/違反報告)
桜猫(プロフ) - 眼福だぁ~!♪ヽ(´▽`)/ (2019年5月7日 20時) (レス) id: b3a762d464 (このIDを非表示/違反報告)
雨々(プロフ) - 桜猫さん» いぇいいぇい! (2019年5月4日 10時) (レス) id: 67d442b3b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夕凪 | 作成日時:2019年4月14日 2時

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