【wrwrd】翡翠の竜【zm】

Ep.13 ページ15

ゾ｢なあなあA｣

｢なんですか？｣

ゾ｢何か…家にいるのが嫌とかそういうことあったん？｣

ここに来た詳しい理由が聞きたいようだ。
そりゃそうだ。
何不自由ない生活をしているはずの姫が、国を脱して戦いに身を置いているのだから。

｢うーん……。特に大きな理由はないんですが…
強いて言うなら…｣

ゾ｢強いて言うなら？｣

｢束縛が凄いんですよねぇ……｣

家族が嫌いなわけじゃない。
仲が悪いわけでもない。
では何か。
過保護すぎるのだ。

未だにひと月に一回は家に戻らなきゃ行けないし。
一週間に一度は手紙を送らなきゃ行けないし。
3日に1度は電話をしなければいけない。

ゾ｢それは………面倒やな…｣

｢出かけるのも親が着いて来たがるしで…。
自立したかったんです。｣

ゾ｢なるほどなぁ…。でもまあ、Aがしっかりしとる理由が分かったわ。｣

ポンポンと頭に手を置くゾム様。
親に撫でられるのは煩わしくて嫌だったのに、ゾム様に撫でられるのは嬉しくて仕方ない。

｢しっかりは…してないですよ？だって…｣

隙をついてゾム様の脇腹を擽ろう……としたのだが、さすがゾム様。この至近距離で避けられてしまった。

｢こういうイタズラとか大好きですもん｣

ゾ｢んふふふ！ええな！！ますます気に入ったわ！！
けどな、やられたらやり返すんが俺のやり方やぞ！！｣

｢ん！？私今失敗に終わりましたよね！？｣

ゾ｢何言うとんねん！やろうとした時点で仕返しは決定しとるわ！！｣

手をワキワキとしながら近づいてくるゾム様。
城内鬼ごっこが開催された。
いつの間にか参戦者が増えていたが……？


コ｢ちょ！なんでこっち来んねん！！｣

ゾ｢待ってよコネシマくぅ〜ん！｣

コ｢きっしょ！！こっち来んなや！！｣

シ｢元気やな…あいつら。｣

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