呪われた刀剣は、愛されたかったようで。【刀剣乱舞】 (ページ46)

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８１　させない！！ページ46

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「そんな事、させない／ねぇっ！！」

二重刃格は目を見開いた。そして驚いた。

だって、目の前にいる、筈の無い刀が居るのだから。

二重刃格は、その名を叫んだ。『い、和泉守さん、大和守さん…っ！？』

「間に合った…淤御国！」

「ったく、何でお前はそう俺達をひやひやさせんだ」

和泉守と安定が、二重刃格を護る様に前に立つ。「ほんと、はらはらさせないでよね。落ちる寸前だったじゃん」「この薙刀の目的は…淤御国を突き落とす事だったんだ」続いて、清光と堀川も合流し、４振り揃って薙刀を睨みつけた。

「……来たか。加州清光、大和守安定、和泉守兼定、堀川国広」

「…てめぇだな。之定が言っていた、喋る薙刀って奴は」

「本当に喋ってる…」

「他の時間遡行軍は？敵さんら大勢で来れば良いじゃないの。返り討ちにしてやるからさ」

「…俺の事なんて、あんた達には関係無い。俺は茉莉守淤御国に用がある」薙刀は至極冷静な声色で言った。「違う。淤御国は僕達の仲間だ。淤御国に用があるなら、僕達にも関係ある筈だ」薙刀の言葉を、安定はばっさりと斬り捨てる。

沈黙が流れ、風が刀剣達の髪を撫でた。

薙刀は黙っている。黙って、淤御国を見つめている。痺れを切らしたのか、和泉守は一歩また一歩と踏み出し、薙刀に近付いて行った。「…おい、てめぇ」

「…何だ」

「何故淤御国に執着する。てめぇと淤御国に何の因縁があるって言うんだ」

「……そうだな。特に何も無い」

「…は？」

「俺は茉莉守淤御国と戦ってみたかっただけだ。それだけの事」

「嘘だ！それなら、それなら…っ！兄弟達の目の前に態々現れなくとも良かった筈だ！如何して、僕達に、審神者［海翔］の刀剣達に執着するんだ！」

そこに漸く小夜と薬研も合流。２振りの力を借りて、二重刃格は体勢を整えた。『…っ』二重刃格は振り絞った声で何かを喋ろうとするが、薬研に止められた。「止めておいた方が良い。今は回復に専念した方が良いぜ」

「……多勢に無勢の状況だな。如何するつもりだ。俺を倒すのか」

「煩ぇ！先に俺達の質問に答えろ！」

「あんたが先延ばしにしたところで、俺達は引かないよ」

「お前には謎が多過ぎるんだ。突如として現れた癖に、何も無いなんて事ある筈がない！」

その時。

掠れながらも、目いっぱい息を吐いた声が、静かな愛登岸に響いた。

『お前は…茉莉守淤御国、なんだろ……薙刀』

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