番外編 現世へ行こう！ ４ ページ21
「おーい、買ってきたぞー！」
「あ、主！お疲れ様でした！」
海翔が店から出て来る。海翔は買った物を淤御国に手渡した。「ほい、淤御国」淤御国はそれを受け取ると、嬉しい表情をする訳でもなく、只下を見て黙り込んだ。「淤御国？」海翔は不思議に思って聞いてみる。
淤御国の真意に気付いた骨喰が、海翔に耳打ちした。「主殿、それは淤御国の本命とは違うぞ」
「えっ！？マジか！てかお前らいつの間に親しくなったな嬉しいわ！」
「それより主！早く淤御国に謝ってあげてください！じゃないと怒られちゃいますよ！」
「そ、そうだな！悪い淤御国！悪気はないんだ！」
海翔が精一杯の謝罪を淤御国へとする。…然し、淤御国の怒りは収まらなかった。「…おい、」「はいぃ！」海翔は上ずった声で返事をする。淤御国は如何やら二重刃格と入れ替わったらしい。ギラッ、とした目を海翔へ向けた。
あちゃー、と、鯰尾達は只見つめるしかない。
「…これは一体全体如何いう事だ？本体は別の物を欲した筈だが？これは欲した物と質感は似ているものの、多少の褪せ感と縁の広さが違う」
「わ、態とじゃないんだ！悪いよ淤御国！御免な？」
「御免で済むならどれ程楽だろうなぁ？」
「ね、如何しよう骨喰。主相当怒らせちゃってるんだけど、淤御国を」「俺には成す術が無いぞ、兄弟」２振りは呆然と行く末を見守る事しか出来なかった。
そんな間にも二重刃格は更に苛立ちを増す。「如何落とし前をつけてくれる気だ？」
「ほ、本命のやつ買って来るよ！今すぐ！」
「否、それは本丸の他の刀達の手入れ道具等に使えば良いが、…そうだな、明日の手合は本体と和泉守さんにしてくれ。してくれたなら何とか本体を宥めといてやるよ」
「はい和泉守と手合を出来る様にしますなので許してください」
完全に和泉守はとばっちりを受けたが、二重刃格は満足そうに淤御国と入れ替わっていった。元の淤御国に戻った事で、海翔は安心し胸を撫で下ろす。「良かったですねー、淤御国が許してくれて」
「本当死ぬかと思った…。あ、そういえば、お前達いつから淤御国と仲良くなったんだ？一気に距離が縮まった気がする」
「お話ししますよー。彼処のお店の看板商品買ってくれたら！」
「兄弟、自然な感じで誘導させたな…」
「よし、骨喰、淤御国、彼処の食いに行くぞ！」海翔が、早速という形で鯰尾達を引き連れて行く。
こうして日帰り現世旅行は、何とか平和に終わったのであった。
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