fraternal love.1 ページ2
,
『お兄ちゃん、起きてっ』
僕の1日は、妹の慌ただしい声で始まる。
今日も学校か。憂鬱だな…。
僕は眠気を覚ます為に、側にいる彼女を抱きしめた。
「んんー眠いよぉ」
『昨日、遅くまでゲームしてたからでしょ?自業自得』
ツンツンとした態度。
だけど、それでいい。
僕は彼女の素直じゃないのに根は優しいところが大好きだ。
「だって……どうしてもクリアしたくて」
『はいはい、言い訳は聞いてません。ほら、準備して。今日も遅刻するよ?』
僕のベッドに寝そべり、目を擦りながらAが言う。
其方だって寝てない癖に。
遅くまで勉強してたんでしょ?全く……勉強ばっかしてんだから。
「どうせなら、二人一緒に遅刻しようよ」
『はいはい、茶番はいいからさっさと起きなさい』
「ちぇーつまんな」
*・゜゚・*・・゜゚・**・゜゚・**・゜゚・*
外に出ると、心地よい風が頰を撫でる。
早く夏来ないかなー、なんて思いながら歩き出そうとするとAに止められた。
疑問に思い、振り返るとニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべている。
『私ね、今日から後輩くんと登校する事になったから!別々に行こっ』
思考が停止して、『後輩くん』という言葉が何度も何度も頭を横切る。
男、だよな。くん付けだし。
「嫌だ。Aと行く」
ここで引き下がったら駄目だ。
Aが……僕のAが取られちゃう。
『えぇ…しょうがないなあ、三人で行くか』
僕の我儘に慣れている彼女。
扱いだって上手い。
言い出したら聞かないって事、分かってるんだ。
それにしても、後輩くんって誰だ。
僕の知らない奴?
それとも顔見知り?
「あ、先輩!おはようございます」
その時、後ろから声がした。
81人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「すとぷり」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めみ - きずなさん» ありがとうございます!返信遅くなってすみません泣 更新遅めですが頑張って書くのでよろしくです!! (2020年7月7日 21時) (レス) id: c6bcbfea4c (このIDを非表示/違反報告)
きずな - とてもいいお話でした新作楽しみにしてます (2020年6月21日 10時) (レス) id: 56f6207354 (このIDを非表示/違反報告)
めみ - まかろんさん» 嬉しすぎて発狂しました笑 ありがとうございます! (2020年6月4日 5時) (レス) id: c6bcbfea4c (このIDを非表示/違反報告)
まかろん - 最高でした!新作の方も読みにいきます! (2020年6月2日 23時) (レス) id: f0e4261de2 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑 - たぴたぴ次郎さん» ありがとうございます!嬉しすぎます…泣いちゃいます…。たぴたぴ次郎さんも最高です! (2020年5月24日 15時) (レス) id: c6bcbfea4c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:蜜柑 | 作成日時:2020年5月17日 0時