初詣で願うのは 【ルルさんリク】 ページ40
吐く息は白く染まる。
外の空気は冷たい。
A「なーんで、こんなに人がいないんだー？」
雲雀「さぁ？」
気合いを入れ、着物まで着て初詣に来たAとシズク。
ただ、人の少なさに驚くA。
雲雀はスタスタと神社へと進んで行く。
A「まぁ、混んでなくてよかったけど……」
と、彼女は遠くの方にあるモノを発見した。
それを見て、確信する。
A「恭弥の仕業か……」
雲雀「群れるのは嫌いなんだ」
木の陰で少ししか見えないが、草壁と雲雀の部下達が神社を囲うように立っていた。
見張り。
貸し切り状態か。
迷惑な気もする。
A「ま、さっさとお参りしちゃえばいいっしょ」
雲雀「……結婚して初めての初詣だよ？
邪魔されるの嫌でしょ」
A「相変わらず安定の我儘だねぇ」
渋い表情で、賽銭箱の前に立つ。
ついこの前、婚姻届を出して２人は結婚した。
そして初めて迎える夫婦としての年明け。
夫婦……っていうと、アレだけど。
.
財布から小銭を取り出すと、鐘を鳴らす。
手を鳴らし、目を瞑り、何かを願う。
そして２人同時に目を開いた。
A「何を願ったの？」
雲雀「内緒。君は？」
A「恭弥が言わないなら、俺も言わなーい」
子供のように意地を張るA。
雲雀はため息をついた。
雲雀「僕のは単純な願いだよ」
A「へぇ……」
後ろを向き、来た道を戻る。
A「あ、ねぇ！おみくじ引いてこう？」
雲雀「ああ、いいよ」
Aに引かれ、売り場へ行く。
お金を箱に入れて、箱のなかから１枚だけ引いた。
彼女は楽しそうにそれを開く。
A「吉かぁ……恭弥は？」
雲雀「大吉」
A「嘘！？うわっ、本当だぁ……」
少し残念そうにするA。
雲雀「おみくじなんかじゃ、人生決まらないって」
A「そんなの分かってるよー。
別に……さっきお願いしたからいいんだ♪」
すぐに嬉しそうな表情でおみくじを握る。
雲雀もそれに答えるように笑った。
.
A「それじゃ、寒いし帰ろうか」
雲雀「そうだね」
２人は互いの手を握った。
手から伝わる暖かい温もり。
顔を見合わせて微笑み、静かな道を２人は歩いて行った。
.
２人が願ったこと。
それは偶然にも……いや、当然なのかもしれない。
２人の願いは、一致していた。
“これからもずっと、君と一緒にいられますように”と。
fin.
ボンゴレ式修学旅行 part１ 【ソラさんリク】→←闇に浮かぶ小さな光 【ちえこさんリク】
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 97人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Ren(プロフ) - まつ姉さん» ありがとうございます！ｗｗ (2015年12月15日 13時) (
レス) id: 9eaa592448 (このIDを非表示/違反報告)
まつ姉 - 骸のキャラ崩壊が面白いwwwwwwwwww (2015年11月30日 0時) (レス) id: 179b97f76b (このIDを非表示/違反報告)
Ren(プロフ) - ヒバリン大好き人さん» 雲雀オチは私も好きなんです！ありがとうございます！まだまだ頑張ります！！ (2015年3月18日 21時) (レス) id: 9eaa592448 (このIDを非表示/違反報告)
ヒバリン大好き人 - はじめまして！この小説、とっても面白いです！！ヒバリンオチが、とっても好きで、今まで見た中でも、一番面白いです！これからも、頑張ってくださいね♪ (2015年3月18日 20時) (レス) id: de4490dd3a (このIDを非表示/違反報告)
Ren(プロフ) - 範人さん» 初めまして。本当ですか！？そう言っていただけて、とても嬉しいです！これからも頑張ります！！ (2015年3月5日 22時) (レス) id: 9eaa592448 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Ｒen | 作成日時：2014年10月3日 22時
