闇に浮かぶ小さな光 【ちえこさんリク】 ページ39
雲雀「はい」
A「はい？」
雲雀に渡された大きい箱。
というか、段ボール箱。
最初、意味がわからなかった。
A「え？何これ」
雲雀「望遠鏡」
A「なぜ？」
雲雀「買ってきた」
A「だからなぜ？」
雲雀「欲しかったから」
A「ですよねー」
単純な会話が終わると、Aは箱を開け始めた。
A「ま、でも１度本格的に星見てみたかったんだよねー」
雲雀「そうなの？」
A「ちょっと興味あるんだ」
雲雀「ふぅん」
全く聞いていないような感じではあったが、２人は庭の方へと向かった。
現在の時刻は午後の１０時。
雲はなく、夜空には星が輝いていた。
A「これ覗けばいいの？」
望遠鏡を指さし、レンズを覗くA。
しかし、雲雀が返答するよりも早くAが驚きの声を放った。
雲雀はその姿を見て、何かに気付いたよう。
A「わぁ、すごい……」
雲雀「………」
Aの声が小さくて。
力がなくて。
少し不思議に思った。
.
レンズを覗いて見えたのはもちろん綺麗な星。
ただ、その周りは黒い空。
黒く、暗い闇が広がっていた。
A「………」
そこで輝く星。
心が寂しく感じた。
.
以前、俺も暗い闇にいた。
ただ、その暗い闇が怖くて逃げてたんだ。
逃げ道がなくなったときは絶望した。
光を失って。
道が消えたんだ。
星のように輝くものなどなかった。
けど………“君”が手を差し伸べてくれた。
助けてくれた。
そのとき、暗い闇に光が現れたんだ。
そしてツナ達もやがて、光となってたくさん現れた。
そう、今見ているのと同じ光景――。
A「っ……」
目が自然と熱くなる。
レンズから目を離した。
A「恭弥……ありがとう………」
頬を流れる涙のワケを雲雀は気付いていたのだろうか。
真意はわからない。
ただ、雲雀は静かにAに寄り添った。
雲雀「泣かないでよ。
嬉しいなら、笑ってほしい……」
その暖かい言葉が胸の奥まで響く。
.
ああ、こんなつもりじゃなかったのにな。
ただ、似てただけなんだ。
あのときと。
闇に突然現れる光。
それを信じて、前に進んでみれば未来が広がる。
A「うん……」
大分、間を開けて返事を返す。
Aは目を擦り、闇に浮かぶ小さな光を……２人で見上げた。
fin.
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Ren(プロフ) - まつ姉さん» ありがとうございます！ｗｗ (2015年12月15日 13時) (
レス) id: 9eaa592448 (このIDを非表示/違反報告)
まつ姉 - 骸のキャラ崩壊が面白いwwwwwwwwww (2015年11月30日 0時) (レス) id: 179b97f76b (このIDを非表示/違反報告)
Ren(プロフ) - ヒバリン大好き人さん» 雲雀オチは私も好きなんです！ありがとうございます！まだまだ頑張ります！！ (2015年3月18日 21時) (レス) id: 9eaa592448 (このIDを非表示/違反報告)
ヒバリン大好き人 - はじめまして！この小説、とっても面白いです！！ヒバリンオチが、とっても好きで、今まで見た中でも、一番面白いです！これからも、頑張ってくださいね♪ (2015年3月18日 20時) (レス) id: de4490dd3a (このIDを非表示/違反報告)
Ren(プロフ) - 範人さん» 初めまして。本当ですか！？そう言っていただけて、とても嬉しいです！これからも頑張ります！！ (2015年3月5日 22時) (レス) id: 9eaa592448 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ｒen | 作成日時：2014年10月3日 22時
