”家族”はここに居るから【MHA×ワンピース】 (ページ31)

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お…………お姉さん……？
いやそりゃまあ確かに髪の毛長いからエリちゃんと同じ女の人に見えたかもしれないけど、……あれ、自分ちゃんと一人称”僕”にしてたよな……？

……いやいや、よく聞いてなかったから確信は持てない。確信が持てないものをつっつくのはやめよう。明日行って聞いてみればわかるかもしれない。

「ただーいま」
「あ、髪の毛おろしてる！カアイイですね！！」
「髪ゴムあげちゃったからね。…というかそんな言うほど？」
「カアイイです！チヅル君、これからずっとそうしてるのはどうでしょう！？」
「えー……まァ、町中歩く時とかは変装ついでに髪の毛おろして女物の服着ることもあるけど……」
「今度見せてください！！」
「テンション高いなァトガちゃん」

そんなに印象変わるもんなのか。よくわからないな。

食事は組織の人が運んできてくれる。
昼寝していたトゥワイスを起こしているトガちゃんを横目に、食事を持ってきた人にダメ元でお願いをしてみた。

「明日っから１日１回でいいから外出したいんだけど」
「ダメだ」
「あんたが決めれる事じゃないでしょう？ボスに言っといてよ。暇つぶしの物が何もない部屋で暮らすのは流石に暇だ」
「……ダメだ」
「間が空いたなァ？…ま、別に君が決めてもいいよ？今度君らのボスに会った時に『これこれこういう奴に外出するなって言われたんだけど、あいつはそんなに責任を持ってるやつなのか？』って聞くから。君とボスで、もし考えが違ったら…………どうなるだろうねェ」
「…………、……話は上げておく」
「うん」

正式にダメって言われても外出する気だけど。
…でも、先に「ちょっと運動がてら部屋から出たいんだけど」って言った方がよかったかな。最初にいきなり外はハードルが高すぎたか？

……まいっか。断られても無視すりゃいいし。

極道生活初日。地下に軟禁状態だったものの、エリちゃんという子を見つけ、その子と仲良くなる事に成功。エリちゃんもどうやら軟禁状態らしく、それだけこの組織に大切なものだと予想。エリちゃんとうまく仲良くなればあのクソ共からエリちゃんを引き離し、ついでにシエなんちゃらカイの力も削ぎ落とせるかもしれない。

「何書いてんだ？興味ねぇよ」
「ん？日記っぽい報告書っぽいやつ。極道生活が終わったら弔に渡しとくの」
「弔君、そういうの読まなそうですけど」
「はは」

紙と鉛筆がこの部屋から発掘されたから。使わないともったいないってやつだ。