17 ページ17
『あ、肩濡れちゃう。』
ってワタシの肩掴んで引き寄せる。
先輩にぶつかって、ドキドキする。
もう充分ドキドキしてるけど、…ドキドキ？
緊張じゃなくて？ドキドキ？
男の人と相合傘してるから？
なんか、そうじゃなくて、この人といると、ドキドキする。
無邪気な笑顔見せたかと思えば、男らしく肩掴んできたりして…
あー、これじゃみんなと一緒じゃん！
かっこいい〜！って言ってる人たちと一緒じゃん！
ワタシもこの人のファンになっちゃうの？
ファン？っていうのもなんか違う気がするけど…
多分この人にとっては無意識なんだろうけど、いちいちハマってくる。ほんとやだ。
さてはこの人、相当ずるい人間なんじゃない？
駅に着いたら、先輩が傘差し出して、
『貸してあげる。おれんち駅から近いから。』
って言う。
入れてもらっただけでも感謝なのに、借りるなんて滅相もないから、一生懸命断わる。
『女の子に、カゼひかせらんないでしょ？』
って真顔でまっすぐ見つめてくる。
その視線に、吸い込まれそうになる。
何も言えないで、ただただ見つめる。
そしたら、
『…ねぇ、かっこつけたんだから受け取ってよ(笑)』
って照れ笑する。
だめだ、ワタシこのままじゃ、
この人のこと好きになる。
絶対好きになる。
半ば強引に傘渡されて、ワタシとは逆方向の電車に乗って行く。
ドアが閉まって電車が動き出すと、こっち見て小さく手ふってるから、何回も頭を下げる。
ふと傘を見たら、柄の部分に綺麗な字で、
『2年1組 玉森裕太』って書いてあった。
この折りたたみ傘、小学校の時から使ってるの？
そう思ったら急にあの先輩のこと可愛くなって、1人でつい笑ってた。
なんだ、みんながかっこいいって言ってる先輩、小学校の時から同じ傘大切に使ってるんじゃん。
笑いながら、その名前のとこ、指でなぞる。
たまもりゆうた
って、小さな声で何度も読み上げる。
たぶんこの時すでに、ワタシは玉森先輩に恋に落ちてしまったていたんだなあって、後になって思う。
ほんと、最初から玉森先輩は、すごく優しかった。今も、優しいの、分かってる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 91人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なつめ(プロフ) - こ、これは…！！ぷちゅぷちゅみったんやないですか！！！ (2014年8月23日 22時) (
レス) id: a7c524f94d (このIDを非表示/違反報告)
ゆりぃ - たまろんさん…！たのしみにいつも読ませてもらってます(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2013年10月1日 23時) (レス) id: 5a7ae76fae (このIDを非表示/違反報告)
はるちむ - やば！もう妄想止まらへん！たまろん最高や！たまろん大好きや！ (2013年9月29日 19時) (レス) id: 0408402c94 (このIDを非表示/違反報告)
ちなぷー玉LOVE(プロフ) - たまろんさんの小説たまりません(///∇///) (2013年9月29日 17時) (レス) id: f9830a92f7 (このIDを非表示/違反報告)
みぃたろ(プロフ) - たまろん最高！だいすき！愛読するね！笑 (2013年9月29日 10時) (レス) id: 78b789d802 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みい | 作成日時：2013年9月25日 1時
