“呪刀”宿し少女、今日も元気に怨念を祓(ころ)す。【呪術廻戦】

十三、「刺突」 ページ17

.



大きな手に服が掴まれた感じがした。



近くまで来てたリョウメンスクナの顔面めがけて、制服を突き破り渾身の呪力を込めた木刀を勢いよく突き立て＿＿＿＿ようとしたが、それより早くひらりと避けられた。


穴が空いた服をヤツにめがけて投げる。でもひとつ瞬きした時には服はばらばらになっていた。



「愚かな事を」



しかしほんの少しだけできた隙をついて走る。木刀を強く握り、背後に回って顳顬を柄で思い切りぶん殴ろうとしたがくるりとやつの顔がこちらを向いた。

そして次の瞬間には、あっさり腕を掴まれていた。
そのまま上にあげられぶらん、と宙に浮く。



「お前、何か妙な物を内に取り込んでいるな？」



やつはそう言って、もう片方の手をこちらに伸ばした







その手は、自分の、リョウメンスクナの首を絞めた。



「え？」

「あ？」



思わず変な声を出す私とリョウメンスクナ。



「人の体で何してんだよ。返せ」



その声は。



「いたどりくん？」



宙ぶらりんのまま問いかければ「ああ、ごめんなA」と、いたどりくんの声で返され地面に下ろされた。

よくわからなくなって首を傾げる私の腕を、今度は後ろから掴まれ引っ張られた。



「動くな」



めぐみんだった。
めぐみんは私を後ろに下がらせて、術式を呼び出した。

怖い目を向ける先には、とてもびっくりした様子のいたどりくん。



「めぐみん」

「A、アイツはもう人間じゃない。今度は躊躇するな、斬れ」

「え、」




「呪術規定に基づき虎杖悠仁、オマエを


＿＿＿＿“ 呪い ”として祓う」



.

十四、「善し悪し」→←十二、「死に急ぐ子ども」

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す