十二、「死に急ぐ子ども」 ページ16
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あれ、って。毒だよね?しかもめっちゃヤバいドク。
これはとても、とってもヤバイ?
「お、お腹!斬りさいて取り出せば間にあう!?」
「腹斬り裂きゃ誰だって死ぬ!!」
突然のことにめちゃくちゃおろおろする私と、珍しく焦った様子のめぐみんと、まったく動かなくなったいたどりくん。
あわあわした現場の中で、唯一動いたのはぶよぶよで。
大声をあげてこちらに突進してきたのを横目に見た直後、感じたことのない悍ましい気配が近くから感じ、振るおうと上げた木刀を下げ咄嗟にしゃがんだ。
その瞬間。ぶよぶよの体が砕けたように飛び散った。
いたどりくんを見る。
いたどりくんは、いたどりくんの姿をしたそれは、顔を歪ませ大きく笑い声を上げた。
「ああやはり!!光は生で感じるに限るな!!」
これは、だれ?
いたどりゆーじくんはどこにいった?
「A!!逃げろ!!」
めぐみんの言葉にハッと気付けば、いたどりくんの姿をしたそれはこちらを見下ろしていた。
「わ、」
「こんなにも近くにいるとはな。喜べ女、お前は幸運だ」
……なにが幸運なの?
とても大きなものに押しつぶされるような感じがした。
目の前にいるひと、リョウメンスクナは私を見下ろしている。
その目は知っている。
動物がエサを見つけた時のそれ。
バッと着ていた制服を脱いだ。
目の前に立つリョウメンスクナは、ちょっとだけ目を開いた。
「自分、女じゃないです!!」
脱いだ制服で身体全体を包んで、隠れるように丸くなった。
ちょっとだけ静かになった。
そしてちょっとだけ、小さな笑い声が聞こえた。
「気でも触れたか?それとも唯の悪足掻きか?」
笑ってそう言った。
いたどりくんのはずなのにいたどりくんの声でない声。
体がぶるぶると震えた。怖くはないのに、なんで?
遠くでめぐみんの声が聞こえた。
そんな私にゆっくり近づいてくる気配がした。
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うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか? (2021年1月4日 16時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
ぱんこ(プロフ) - 葵羽〜best friend group〜さん» 葵羽様、コメントありがとうございます!完全に私の趣味ですがお付き合い頂けると幸いです笑 そしてこの作品含め他の作品にもたくさんコメントして頂いて本当にありがとうございます!とても励みになります。これからも頑張りますのでどうぞよろしくお願い致します! (2020年10月19日 23時) (レス) id: d2028c3fb2 (このIDを非表示/違反報告)
葵羽〜best friend group〜(プロフ) - 夢主ちゃんがすごく可愛い…相変わらずぱんこさんの作品、面白すぎます!何度読んでも飽きません!更新頑張ってください!応援しておりますっ! (2020年10月19日 22時) (レス) id: bccf6ec4c9 (このIDを非表示/違反報告)
ぱんこ(プロフ) - みわさん» 完全に自己満な上幼女(?)みたいな夢主ですが、そう言って頂けて嬉しいです。励みになるコメントありがとうございます!これからも頑張ります。 (2020年10月18日 22時) (レス) id: d2028c3fb2 (このIDを非表示/違反報告)
ぱんこ(プロフ) - 緑緑さん» 完全に私の趣味です(笑)幼女を求めて作ってたら幼女擬きが出来上がってぽかんとしました。これからも頑張ります! (2020年10月18日 22時) (レス) id: d2028c3fb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱんこ | 作者ホームページ:
作成日時:2020年10月18日 19時