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第130話 ページ30
佐「……A？」
いつの間にか眠ってしまっていた佐鳥は、自分の掌の感触に目を覚ました
これまで何も反応がなかったAの動きに、佐鳥は目を見開く
もしかしたら
Aも目を覚ましてくれるかもしれない
昨晩、同じく意識を失って眠っていた三雲が目覚めたと聞いた
Aもそろそろ、と佐鳥が考えてしまうのも仕方がないだろう
佐「A！」
佐鳥は、縋るようにAの名前を呼んだ
佐(お願い、目を覚まして……！)
すると、Aの頬に一筋の雫が伝う
佐「！」
貴「……ｯ」
Aの口から息が漏れる
佐鳥は、ぎゅっと手を握りしめ、祈るようにAを見つめた
貴「……て、待ってよ……」
佐「!! オレは、ここにいるよ
Aを置いてどこにも行かない」
Aの呟きに応えるように佐鳥は話しかける
そんなことを知ってか知らずか、Aは何かを求めるように右手を伸ばし始めた
貴「……行かないで!!」
Aの手は、虚空を掴んだ
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作者名：藍染蒼湊 | 作成日時：2022年8月14日 19時
