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晩御飯を食べたあと、自室でもう無くなりそうな薬や買いたい薬をリストアップしていた。
事前にリストアップしておけば、購入時にもたつくこともない。坂田さんを待たせることもないのだ。
わざわざ買い物に付き合ってくれるのだ。そんな優しい坂田さんを待たせるのは申し訳ない。
そんなことを思っていると自室のドアがノックされた。
私の自室は、医療室の奥にあるので、誰か怪我人でも出たのかと急いで医療室のドアを開けた。
そこに立っていたのはこの船の航海士、センラさんであった。
「センラさん、どうされたんですか？」
「あー…実はな？」
そう言って気まずそうに後ろを振り返るセンラさん。なにか後ろにあるのかとセンラさんの小脇から覗いてみれば床には真っ赤な顔で横たわっている船長がいた。
「…えっと、これは？」
「さっきまで宴をしててな、気分が良かったんか随分ハイペースで飲んで止められへんくて…この状態ってわけや。」
「なるほど。とりあえずこちらへ運んでいただけますか？」
「あぁ。もちろんや。」
センラさんは床に倒れている船長を軽々と抱えて医療室のベッドへ放り投げた。
「んじゃ、おれは失礼するで。あとはまかせたわ。」
「了解です。」
出て行ったセンラさんの背中が見えなくなると、船長が放り投げられたベッドの横まで歩く。船長の前髪が邪魔そうに顔にかかっていたので除けようと手を伸ばした。
「…ももか」
幸せそうな顔でももかの名前を呼ぶ船長。
ズキンと痛む胸。
伸ばした手を引っ込めて、水を取りに行くことにした。
酔っ払いにはまず水を飲ませなきゃ。
そうやって仕事のことを考えなければ今にでも目から雫が溢れそうだった。
水をコップ1杯注いで船長に持っていく。
「船長、お水です。飲むのは構いませんが、少しは量を考えてください。」
あぁ、可愛くない。
どうしてこんな言い方しかできないのか。
発言してから後悔していた。
私が声をかけたからか、船長がこちらを向いた。
真っ赤な顔でふにゃりと笑う。
ドクンと胸が鳴った。
そんな笑顔見たことなかった。
船長が手を伸ばして私の頬を撫でる。
ゆっくりと船長の顔が近づいてくる。
気がつけば距離は０cm。
船長と私の唇は重なった。
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作者名：魂都 | 作成日時：2023年6月29日 23時
