チグリジアⅣ ー愛して、助けてー (ページ27)

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深澤side

居酒屋の個室に、謎にこの四人が集まっていることが俺的にめっちゃカオスだ

しかも、康二は俺と渡辺にやけに当たりが強い

言われてることも正論すぎて、何も言えない

康｢あのー、確認やけど、ふっかさんと翔太くんはAちゃんのこと好きなん？｣

急な質問に、ちょうど飲んでいたビールをら吹き出しかけた

岩｢急にぶっこむなよ...｣

渡｢俺は好きっすよ｣

深｢いや、俺もだから｣

先を越された渡辺に、俺も慌てて答える

対抗心を燃やしたことに気づいた渡辺は、俺を見て一瞬ムッとした

康｢ふっかさんは知っとった。それに、俺多分、翔太くんの話、めめから聞いとると思う｣

岩｢どうゆうこと？｣

康｢めめが、Aちゃんの心を揺るがす人が現れた！みたいなこと言っとったから笑そん時に"渡辺"って言葉が何回か出てきたから、もしかしたらって。

...まぁ入院した原因も、その人が関係してるって言うとったし....｣

分かりやすく渡辺のテンションが、上がったり下がったりしたのが目に見えた

それを見て、ざまぁ、なんて思ってしまう

つか、目黒が焦るとか、余程じゃん

そこまで渡辺の存在は、Aにとって影響力のあるものだったのか

康二のその言葉に、焦りを感じた

同時に、敗北感も、少しだけ。

岩｢ほんと、お前、妙なとこ鋭いよな｣

渡｢そんだけの情報で分かるのが怖い。もしかしてら俺に話しかけたのも、必然...？｣

康｢そんなストーカーみたいなことしいひん！｣

深｢いや、、康二だからな｣

康｢なんやそれ！｣

わちゃわちゃした雰囲気とは裏腹に、俺の心は結構焦っていた

不安と諦めと、ほんの少しの期待

そんな感情が俺の心を侵食する

でかかったため息を飲み込むように、残り少ないビールを流し込んだ