チグリジアⅣ ー愛して、助けてー (ページ1)

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深澤side

昼休み、用があって資料室に行くと、女性の話し声が聞こえた

｢、、、うん。.....今日は早く帰るから、、｣

｢、、大丈夫、、、どこにも行かないよ。.....れん｣

どこか聞き覚えのある声と、"れん"という思い当たる節のある言葉に、声の主を覗き見る

あぁ、やっぱり

Aだ

スマホを耳に当て、誰かと電話している様子だ

｢....翔太ともふっかとも、なんにもないよ、、、｣

突然出てきた自分の名前に驚く

｢、、だから、、"死ぬ"とか、言わないで、｣

深｢はっ、｣

思わず声が出てしまい、慌てて口を塞ぎ、棚に隠れる

"死ぬ"って、目黒が.....？

なんで。なんでそんなことになってんの、？

｢....はぁ、ふっかか、｣

すぐそこにある黒い影が、地面に映る

目の前に現れたAは、ため息をつきながら俺を見ていた

見つかっちゃった。

｢....聞いてた、よね？｣

まるで聞かれるとまずいような顔をして尋ねてくるもんだから、一瞬なんて言おうか迷った

だけど、嘘をつくのは違うと思い、正直に話す

深｢ごめん。盗み聞き、するつもりじゃなかったんだけど｣

｢どーかなー。ふっか、変態だからなー｣

深｢おぉい！変態とはなんだ！....認めざるを得ないけどさ、、、｣

一瞬にして和んだ空気

ちがう、今は違うんだ。

今はこの雰囲気に流されるわけにはいかない

場を和ませるという長所が今、仇となっていることに気づく

深｢さっきのって、目黒？｣