チグリジアⅣ ー愛して、助けてー (ページ31)

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朝目が覚めると、身体の気怠さを感じる

地味に腰も痛い

「あれ、蓮？」

隣を見ると、既に蓮の姿はなかった

ん？今何時？

慌てて、時計を見ると、いつも起きる時間より20分経過していた

「やばっ！！」

布団を勢いよく剥ぐと、当たり前だけど何も着ていなかった

そんな自分を見て、昨日の夜を思い出す

恥ずかしさと、罪悪感とで、朝から感情が忙しない

けど、今はそんなこと考えている場合ではないので、急いで散らばった服を適当に身につけ、寝室を出た

蓮「あ、おはよ」

呑気にコーヒー片手に、爽やかに挨拶をしてくる

「もー！起こしてよ！」

そう叫びながら、洗面所に行き、顔を洗い、さっと歯を磨く

蓮「気持ちよさそうに寝てるから、起こすの悪いなーって思って」

歯を磨く私の後ろに立っている蓮の姿が、洗面所の鏡に映し出される

反論したいけど歯磨きの最中なので、鏡越しに蓮の顔を睨みつける

それを鼻で笑うと、洗面所を出ていった

リビングに戻ると、テーブルには、がんばって作った感が半端ない朝食が並んでいた

見た目が不格好な卵焼きと、トーストと、コーンスープと、コーヒー

洋の中に和が混じっているのか謎だったけど、きっと一生懸命作ったんだろうなと思い、心が温かくなる

「久々かも、蓮の作ったご飯」

蓮「ゆーて、料理っぽいの卵焼きしかないけどな？コーンスープなんてインスタントだし」

「ううん。ありがとう。...でも、急に朝食作るなんて、どうしたの？笑」

そう尋ねると、困ったように笑う蓮

後頭部に手を添えると、んー、と少し考える動作をした

蓮「いつもの感謝。ほら、いいから食え」

その答えに妙な違和感を感じたけど、そこにはあえて触れなかった

蓮「あと、今日俺、夜いない」

「わかった。康二くんとご飯？」

蓮「....まぁ、そんな感じ」

なんだそれ、と思いながら、卵焼きを口に運ぶ

私の作ったものよりも少ししょっぱいそれに、思わず微笑みが漏れた