番外編8 ページ26
...食べすぎた。
けっこう苦しいかも。
そんな私を見たひーさんは、一旦車を停め、外へ連れ出してくれた。
新鮮な空気がすぅーっと体に入ってきて、気持ちがいい。
岩「大丈夫か？」
「うん。ちょっと食べすぎた」
岩「そこのベンチに座って。俺水買ってくるから」
「ありがと」
広い公園のベンチに、腰掛ける
誰もいないことをいいことに、少しだけ横たわる
目を瞑れば、微かな足音
ひーさん早いな。
『大丈夫ですか？』
ひーさんではない声が聞こえて、慌てて起き上がる
見れば、可愛らしい同い年くらいの男の子
「だ、大丈夫です！」
『ほんとに？顔色悪いよ』
「いやいや、食べ過ぎなんで！笑」
『そんな細い体で、いっぱい食べたんだ』
「いや、細いなんてそんな...」
褒められれば喜ぶ、単純な脳
細いとか言われないし。
『こんなとこに1人いたら危ないよ？あっ、ほら運動すればお腹空くし、俺お手伝いするよ！』
どういうこと？
と思った途端、腕を掴まれ、ベンチから引っ張り上げられる
「ちょっと！」
『大丈夫！そこに車停めてるから！寝てていいよ！』
「そゆことじゃなくて、」
力が強すぎて、そのまま引きずらるように歩く
恐怖で、お腹の苦しさなんて忘れてしまった
岩「おいなにしてんだ」
大きな手が、男の手を掴み、そのまま私から引き剥がす
勢いよく剥がされた私を抱きとめるように、ひーさんは私を包み込んだ
岩「てめぇ、ぶっころされてぇか」
『いや、俺はただお姉さん暇そうだったから』
岩「こいつ暇じゃねぇから。失せろ」
さすが、筋肉さん。
どんな男も逃げ出すその筋肉と強面が、役に立った瞬間を目の当たりにした。
去っていった男を見て、急に力が抜ける
それを支えるように、ひーさんの腕に更に力が入る
岩「大丈夫か？ごめん、遅くなって」
「ううん。さすがこの筋肉、見て逃げ出したね」
岩「いいよそういう冗談」
心を落ち着かせ、離れようとしたら、また腕に力が込められる
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たまっち(プロフ) - あやぱんさん» 感想ありがとうございます！一見悪者に見える人でも素敵な所があるという部分が伝わっていて嬉しいです。私もこの物語を書いていて我ながらキュンキュンしてました笑。これからもたまっちをよろしくお願いします。 (6月13日 23時) (
レス) id: 94d0777d49 (このIDを非表示/違反報告)
あやぱん(プロフ) - 深澤さん推しですが、誰かに決められないくらいみんな素敵で、だからこそ1人に決める時の辛さも伝わってくるようで読み応えのあるお話でした！とても素敵な疑似体験をさせて頂けました。素晴らしい作品をありがとうございます！ (6月12日 22時) (レス) @page34 id: e49b1f2009 (このIDを非表示/違反報告)
たまっち(プロフ) - わーぉさん» コメントありがとうございます！だいぶ作品に引き込まれて頂けたみたいで嬉しいです。新作もあるのでそちらも読んで頂けたら幸いです。今後も応援よろしくお願いします。 (2022年5月19日 14時) (レス) id: 94d0777d49 (このIDを非表示/違反報告)
わーぉ(プロフ) - ハラハラドキドキで見ていました！すごく面白くて見入ってしまい気づいたら一気に！これからも素敵な小説を楽しみにしています(^^)ありがとうございました！ (2022年5月18日 14時) (レス) @page34 id: 88cbea371f (このIDを非表示/違反報告)
たまっち(プロフ) - ゆみちさん» 深澤さんの持つ一途さも、今の時代では貴重なものとなってしまったので、私自身も余計に憧れが強いです(笑) たくさんコメントや感想を頂けて嬉しい限りです。これからもぜひよろしくお願い致します！ (2022年4月13日 0時) (レス) id: 94d0777d49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たまっち
| 作成日時：2022年2月14日 15時
