二番目の愛 (ページ46)

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みっくん？と大きな声で叫び、こちらに向かってくる、ロングヘアの綺麗な女の人

｢え、皐月・・・・・？」

紛れもなくそれは宏光さんの声で

｢みっくん！！会いたかったよ！」

その綺麗な女の人は、いきなり宏光さんに抱きついた

｢おま、なんで、ここに・・・・」

私も玉ちゃんも太ちゃんも、訳が分からないと言った表情で、みんなで顔を見合わせる

｢皆さん、初めまして。みっくんの妻の北山皐月です！」

え・・・なんで、いるの？

戸惑いと動揺とが一気に押し寄せ、頭が真っ白になる

宏光さんも知らなかったみたいで、少々戸惑っているようだが、どこか嬉しそうな表情が見える

ずっと目を背けていた現実を、今この瞬間、目の当たりにする

｢Aさん・・・・」

玉ちゃんが小さな声で私を呼ぶ

大きな瞳をこちらに向け、ひどく心配そうな目で見る

｢北山の奥さん、初めて見たな。めちゃくちゃ美人じゃん笑」

何も知らない太ちゃんが、宏光さんの奥さんを褒める

｢あー、えっと、こいつの言う通り、俺の嫁です。」

少しばつ悪そうな顔をしつつ、照れくさい表情さえ見せる

｢こいつらは、俺の同期の藤ヶ谷、後輩の工藤と玉森。藤ヶ谷だけ、部署が違うんだよ」

みんなぺこりと頭を下げるから、それに合わせて私も下げる

"後輩"

その言葉が、鋭利な刃物かのように、私の心を突き刺した