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「だから、昨日はごめんなさい。けれど、あの行為はなかったことにはして欲しくない。俺が思い切ってやった、Aさんへの愛の伝え方だったから・・・」
あなただけが悪いんじゃない
だって私もあなたに同意したんだから
抵抗しなかったのは私なんだから
「申し訳ないと思った、け!ど!俺はAさんを終わりのない沼から救うためだったら・・・Aさんを俺のものにするためだったら、何だってするよ」
そう言って、彼は先に出ていってしまった
へなりとその場にしゃがみこむ
全身の力が抜ける感覚だった
きっと玉ちゃんの気持ちには応えられない
けれど、彼の気持ちを、あの夜、あの一瞬、利用したのは私なんだ
彼の純粋さを汚してしまったのは私なんだ
罪悪感が一気に押し寄せてくる
そして、宏光さんへの後ろめたさも
どうせ、一番にはなれないのに_____
しばらくしてから戻ると、玉ちゃんは黙々と仕事をしていた
ただでさえ、プロジェクトで忙しいのに、少しの間仕事をさぼってしまった
こんな些細なことにも肩の荷が重くなる思いだ
斜め右のデスクをふと見ると、バチッと目が合う
いつもなら宏光さんが微笑んで、宏光さんから目を逸らすのに
今日初めて、私から目を逸らしたんだ
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作者名:たまっち | 作成日時:2020年1月21日 0時