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資料室のドアを開けると、少し埃っぽい空気にむせた


「えーっと、それ関係の資料はねー、たしか・・・」



奥の方の一番高い棚


必死に背伸びをして、手を伸ばすけれど届かない



すると、後ろから、白くて少し筋肉質な腕が、難なく例の資料を手にした




これですよね?と尋ねる彼から、金木犀の香りがする


それが鼻をかすめ、昨日の夜の出来事が一気に蘇る


よくよく見ると、ワイシャツの上からでもわかる細身なのに筋肉質な上半身


オフィスの中が暑かったのか、腕まくりをした白く長くたくましい腕





あ、腕時計返さないと・・・・・・





「あ、玉ちゃん、あのさ、昨日腕どけ・・・」




その瞬間、目の前にいた玉ちゃんがくるりと振り返り、私の腕を掴んで、自分の方へ引き寄せようとする


しかし、反射的に伸びてくる腕を掴んで、捻り上げた






「ぃっ、痛い痛い痛い!!」



「あ、ごめん!これはなんというか、無意識に手が・・・」



「やっぱり強いね。なんでそんなに強いの?」



「これは、昔空手習ってたから・・・」



「え、すご・・・。それは想定外だった」






そうだよねー、なかなか空手やってますなんて女いないからねー





「え、やっぱり強いってなに?私玉ちゃんになんかしちゃった?」



「いや、何もしてなくもないけど、でもさ。ミツ先輩が言ってたんだよ。あいつは強いって」







え、どうして宏光さんが、それを・・・

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作者名:たまっち | 作成日時:2020年1月21日 0時

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