【d!】ストーカーな君【zm】 (ページ6)

今日:11 hit、昨日:0 hit、合計:36,381 hit

煙草が6本ページ6

「んふふ～A～大好き～」

お酒の匂いをプンプンさせながら、私に抱き着くゾム。

可愛いから別に良い。ハグって良い文明だと私思うね！人の体温落ち着くし。

ゾムにお酒を渡して一時間ぐらい過ぎた。

最初は平気そうにかなりの量を飲んでいたゾムは、休日の為に(休日は大体私が家に居た為中に入れない＝家事が出来ない)作り置きしていてくれた肉じゃがを冷蔵庫から出し、温め、私の前に置いた。

「えっーと…ゾム？」

「Aさっきから俺が飲み食いしてるとこ見てるだけやん。一緒に食お。」

「いやでも自分さっき晩御飯食べたばっか…」

晩御飯はいつも通り量が多かった。その為お腹いっぱいなのだ。

「俺の作った肉じゃが…食べてくれへんの？」

「うぐっ」

こやつ、私の扱いをよく分かっているじゃないか！

悲しそうな目でこちらを見つめるゾム。自分の顔を最大限生かして甘えてきてるなこれ。

「…いただきます。」

パァァァと効果音が鳴りそうな程分かりやすく顔を明るくしたゾムは、箸で肉じゃがをとり、こちらに向ける。

「あーん」

語尾にハートが付きそうなぐらい嬉しそうだ。

「…」

パクっと肉じゃがを口に入れる。

…美味しい…が、別に今じゃなくても良いだろう。ていうかもっと空腹の時に食べたかった。
飲み込むのも嫌になる程、お腹は満腹だ。

そこから大変だった。

次々と肉じゃがを口の中に入れるゾム。なんとかそれを飲み込む私。

「他の人とご飯食べに行った時もこんな事してるの？」

「おん。食害って言われてんねん。」

食害…初めて聞いた言葉だぞ。

やっと肉じゃがを食べ終わると、ゾムはまた、大人しくお酒を飲み始めた。

正直助かった。これ以上は比喩でもなんでも無く、まじでお腹がはち切れる所だった…

だがしかし、一難去ってまた一難。

「嫌や！俺、Aと一緒に寝る！」

きっとゾムは、酔うと誰かに抱き着く癖があるのだろう。私を背後から抱きしめ、ぶーぶー駄々を捏ねていた。
弟感あって頬が緩む。

私は今、お持ち帰りした仕事に、早々にかたをつけようとパソコンを開き自室の椅子に座っていた。

もう12時は過ぎている。待ちに待った土曜日の始まりだ。

だが私はまだ眠れない。今日中に仕事を終わらせ、残りの時間で睡眠をとるのだから。

「A～」

だがゾムも中々引かない。

さらに腕に力を入れ、肩に顔を埋めた。

…弟いたらこんな感じなんかなぁ～

どうやら私は彼に甘いようだ。