【d!】ストーカーな君【zm】 (ページ20)

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煙草が14本ページ20

side-zm

Aに着いて行き、シャオロンとやらの家に来た。

結論から言うと、シャオロンと兄さんとは仲良くなった。

「あ、あのゾムさんっ。そろそろお腹が一杯…」

「何言うとんのシャオロン。まだまだ食えるやろ。」

「ヒエッ」

「アッ、ハハハハハ(渇いた笑い)。私、ちょっとニコチンが切れちゃった。(震え声)」

「俺もちょっと煙草休憩…A、行こか。(震え声)」

「お前らぁぁぁ！！！」

うんうん。良い顔すんなぁシャオロン。

ー
ーー
ーーー

ベランダで煙草を吸う、Aと兄さんの背中をボーと見ながらお酒を呑む。正確にはAの背中を、だが。

煙草の煙を纏ったAは、どこか儚げで、遠い世界の人のように感じた。

一瞬、ドロドロとした感情がまた湧き出てきたのが分かる。
どこかに繋げてないと、いつの間にかいなくなってしまうのではないか。俺から離れてしまうのではないか。

だがしかし、チラッと見えたAの首にある、俺が贈ったネックレスを見て、その気持ちがスッと無くなっていった。

そうや、大丈夫。大丈夫。Aには俺が必要で、俺にもAが必要なんやから。

ゴクゴク

手に持っていたグラスが空になる。

「…お前、ほんまにAの事好きなんやなぁ。」

「っ！？ゴホッゴホッ」

先程まで食害によってダウンしていたシャオロンは、大分マシになったのか、弱々しく顔を上げると、ニヤニヤと笑みを浮かべた。やな笑い方やなぁ。

急にそんな事を言われ飲み込もうとしていたお酒が喉に引っかかった。

「………なんでそう思うん。」

「い～やぁ～」

ニヤニヤニヤ

「随分元気そうやないかシャオロンさ～ん？まだ食べ足りないんか？」

「あっははは。勘弁して下さいよゾムさん～」

・

閑話休題

・

「まぁ、俺に隠し事せん方がええで。」

ウップと、先程追加で胃の中に入れたご飯に苦しみながらも、シャオロンは話始める。

「ゾム。お前Aのストーカーやったんやろ。」

「………」

シャオロンはこちらを見ずに淡々としていた。

今自分がどういう顔をしているのか分からない。ただ、シャオロンから目線を外す事が出来なかった。グラスを持っていた手が震える。落としてしまわないように、テーブルにそれを置いた。

「…証拠はあるんか？」

声は震えていないか。自然に振舞えているか。分からない、分からない。

ドキドキドキ

心臓の鼓動がうるさい。シャオロンにも聞こえてしまいそうだ。