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村上side
収録は、無事に終わった。
いや、無事にっていうんとはちょっと違うか。
ヨコはやっぱり無理して喋っとる感じして、なんかこう、不自然やった。
でも、とにかく大事にならずに済んだわけやからよかったってことにしとこか。
そんなこと考えながら楽屋に戻った。
………ん？
あれ………？
先に戻ったはずのヨコが居らへん。
荷物は置いてあるから帰ったってことはないはずなんやけど…
トイレにでも行っとるんやろうか。
なんか嫌な予感がしたけど、もう少し待ってみてもええんやないかなって思って楽屋で待つことにした。
ｶﾞﾁｬｯ
「おお、ヨコ。お疲れさん。」
「……ん…ヒナ………………」ﾌﾗｯ…
「…ヨコっ！！」
少しして戻ってきたヨコがドアのところに突っ立ったまま動かへんから、どうしたんやろと思って近づいたら、急にこっちに向かって倒れかかってきた。
間一髪受け止めて、その時に気がついた。
すごい熱や……
こんなんで収録しとったとか信じられへんわ。
って、そんな感動しとる場合とちゃうよな。
とりあえずヨコはソファに寝かせて、医務室に体温計と冷えピタを貰いに行こうとしたら、もう一つのことに気がついた。
ヨコが、泣いとる………
理由はわからへんけど、よく見たら頬に涙が伝っていた。
これは……
体温計より先に話聞いた方がええな。
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作者名：理系女子♪ | 作成日時：2015年6月10日 17時
