QK病系短編集4 (ページ25)

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運良く家にあった市販の風邪薬を飲んで、いつもより厚着をして、気合を入れてオフィスに向かった。

でも、薬を飲んだはずなのに身体は相変わらず怠くて、やっと自分の机まで辿り着いた頃には目を開けているのも辛いくらいに調子が悪くて。

ちょっとだけ。ちょっとだけ、休んでから仕事始めようかな、、

このままじゃ仕事どころじゃないと思って、机に顔を伏せたんだけど。

(ﾄﾝﾄﾝ)
河「こうちゃん、大丈夫？」

渡「っ、河村さん、、？」

なぜか、河村さんから肩を叩かれて声かけられて、慌てて顔を上げた。

河「こうちゃん熱あるでしょ。ここじゃあれだし、撮影部屋かどっかのソファで休んだら？」

渡「…な、んで、、」

河「なんでわかったかって？気づいてないかもしれないけど、ほっぺ真っ赤だし目潤んでるしバレバレだよ。隠しても無駄。」

渡「んん、だって、、」

河「だってじゃないの。ほら、荷物持ってあげるから向こう行こ。歩けそう？」

…熱あるのバレてる、、

しかも、よりによって河村さんに。

でも、河村さんは俺が体調崩したのは昨日めんどくさがってコート着ないで帰ったせいだってわかってるはずなのに、怒るどころかめちゃくちゃ優しい顔をしていて。

背中を押されるままに部屋を出て、あっという間に撮影部屋のソファに寝かされて毛布まで掛けられてた。

河「よし。じゃあ、体温計とか持ってくるからここで待ってて。寝られそうなら寝ちゃってていいから。」

そう言って、河村さんは俺を残して出て行っちゃったんだけど。

…おかしいな。

なんだか、一人きりの静かな部屋がやけに寂しく感じてきて。

気がつけば、訳もわからずに涙が出てきて、止められない。

河村さん、早く戻って来て、、