拝啓、兄上へ【鬼滅の刃】 (ページ11)

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この熱は骨折によるものか...？

いや、ここで考えていてもダメだ

苦しんでるAを早急に蝶屋敷の方へ連れて行くのが先だ

骨折をしたところを固定し

羽織っていた羽織でAを包み

両腕で抱える

千寿郎「兄上...ぁ、姉上！？」

杏寿郎「大丈夫だ。すぐに蝶屋敷の方へ連れて行く。...千寿郎、もし今日屋敷に居たくなければ俺と来るか？」

千寿郎「大丈夫です...今火を使っていますし。それより早くお医者様のところに姉上を連れて行ってください」

千寿郎は優しく強いな

千寿郎の頭を撫で「すまない。すぐに戻る」と言い走った

腕の中にいるAは苦しそうだが

泣いていた

すまない、こんな不甲斐ない兄で

妹と弟を寂しい思いをさせ

怖い思いをさせ

痛い思いをさせて

守ってやれなくて、すまない

ちゃんと父上を支えきれなくて、すまない

杏寿郎「もっと強くならないとな」

強くなるから

俺は強くなるから

だから安心してくれ

Aを蝶屋敷にいる医者に診せた

やはり腕が折れ、それにより熱が出たようだ

それに少し脳震盪を起こし、口の中を切ってしまっていた

安静にし、しっかり療養すれば治るとのこと

眠っているAの顔に殴られたであろう頬が痛々しかった

反対側の頬を撫で

杏寿郎「千寿郎を迎えに行く。今日はあまり家にいたくないだろうから...だから少し離れる。ゆっくり休みなさい」

1度屋敷に戻り千寿郎を連れ蝶屋敷へ

Aは落ち着いて眠っている

千寿郎は泣きながら良かったとAの手を握った

「兄弟揃って見舞いか？お前は相変わらず過保護だな」

後ろに昔馴染みの伊黒がいた

杏寿郎「...伊黒か...2人とも大切なんだ。何かあってからでは遅い」

伊黒「あまり気を張りすぎるなよ。それにお前も怪我をしてるじゃないか。その体でよく妹達の心配できるな。まずは自分の心配をしろ。...俺が付いていてやるからお前も診てもらえ」

伊黒はネチっこく、気難しく冷たい男だと思われがちだが

本当は仲間思いの優しい男だ

杏寿郎「感謝する」

伊黒「さっさと行け」

俺も医者に診てもらい

こめかみの所はもちろん今回の任務でつけた切り傷を手当してもらい

A達の元へ

伊黒はA達から遠いところにいたが目に入るところで椅子に座って様子を見ていた

伊黒「...来たか。俺は帰る。夕方から任務があるのでね」

杏寿郎「妹達を見ていてくれてありがとう」

伊黒「ふん...」

伊黒を見送り2人の元へ歩いた