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加州「主の突き、とっても良かったよ!難しいからさ、あの技‼」
慌てた様に言う加州に、少し困った様にニコリと微笑むすず。
彼は優しいからこう答えると気づいていたのだ。
大和「……まず動きが遅い。あれじゃ不意打ちじゃない限り簡単に防がれる。
それに突きの瞬間、細腕だから威力は落ちているし、突く度に場所が微妙にズレてる。
一度に同じ場所を突くか、頭・喉・鳩尾にそれぞれ突きを入れていくか……。どちらにせよ、まだ未熟……」
加州「安定!」
大和守の容赦ない批判に、加州は止めに入るが__。
大和「……まぁ、
大和守はすずに顔を見せない様にプイッと逸らしながら言った。よく見ると、耳まで赤い。
「……へぇそっかー。じゃあまだまだ伸び代はあると?」
大和「……アンタの努力次第じゃない?」
ぶっきらぼうに答える大和守とは対照的に、すずは嬉しそうに顔を輝かせる。
「そっかー、嬉しいなぁ!だって総司、いつも『下手くそ』ってしか言わないからさー」
すずは笑顔のまま続ける。
「私が剣術始めたきっかけが、総司のあの三段突きを初めて見た瞬間でさー、本当に格好良くてキレイで。
あんな風に出来る様になりたいなぁって……。
だけど私は『ああ言う技よりも速さの方に才能がある』って、はじめ兄ちゃん……じゃないや。
斎藤一に見出されてからさ、ずっと相手の攻撃を躱したり、相手よりも素早く反応して斬り込んだりする練習ばかりで……。
……いや文句は無いんだけどさ。でもやっぱり、憧れてた人の技も完璧に出来る様になりたいじゃない?
総司にボロクソ言われてたけど、その総司の刀から『筋は良い』って言われるのは、やっぱり嬉しいなぁ」
よほど嬉しかったのだろう。その証拠にニマニマしておまけに饒舌である。
大和「……剣術バカ?」
加州「安定!」
大和守のツッコミに加州は思わず頭をスパーンッ!と叩く。
三「……楽しいそうに会話をしている所すまないが、すず、話があるのだが」
黒い笑顔の三日月が、おいでおいでと手招いている。
すっかり忘れてたと呟くすずは先程の笑顔から一変、死地に向かう様な暗い顔ですごすごと三日月の元に向かう。
大和「……なにあれ。何かあったの?」
加州「あぁ、なんか三日月から説教があるっぽい」
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神ノ木 - 更新待ってます!頑張ってください! (2018年7月3日 21時) (レス) id: a21d3a6b09 (このIDを非表示/違反報告)
槝 - 面白い場面で…続きが気になります。 (2018年6月29日 14時) (携帯から) (レス) id: 46e1741f78 (このIDを非表示/違反報告)
湖@清光可愛い鯰尾君可愛い国弘可愛い亀ちゃん大好き!!! - 凄く面白いです!最初から一気に見ちゃいました!清光に薬研に兼さんに三日月が一杯出てきていて私、迚嬉しいです!これからも、更新頑張って下さい!応援しています!では。^ ^! (2018年5月20日 12時) (レス) id: 073b3b6cdc (このIDを非表示/違反報告)
埼玉の銀ちゃん(プロフ) - 水面さん» はじめまして、コメントありがとうございます!面白いと言って頂けて嬉しいです(*^^*)少しずつですが更新頑張っていきます!!応援ありがとうございますm(_ _)m (2018年4月29日 18時) (レス) id: 1f42c16589 (このIDを非表示/違反報告)
水面 - この小説すごい面白いです!更新楽しみにしています♪ (2018年4月29日 18時) (レス) id: c4fe34a3f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:埼玉の銀ちゃん x他2人 | 作成日時:2018年4月28日 16時