コスプレ審神者、ブラック本丸にいざ参る ニ【刀剣乱舞】

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それを察した桜ノ宮も、主もあっちで待ってて？と彼女を薬研の元へ行かせた。


加州「……俺さ、主にお前と勝負して欲しいって頼まれたから今こうして鍛練場に向かってる訳だけどさ」


その声は怒りをなんとか抑え込んでいるといった様子で淡々としていた。


加州「それでお前とは近侍を掛けて勝負する事になってるけど、もう一つ追加してもいい？」


加州の言葉にどうぞ、と桜ノ宮は先を促す。


加州「俺とお前『どっちが主に相応しい男か』っていうのも引っくるめて勝負しない？」


桜ノ宮「……と言うと？」


加州「つまり、勝った方が主を愛する資格があるってこと！負けた方は素直に主から身を引く！

これでどう!?」


加州は嫉妬の念に駆られてか、とんでもない事を言い出した。


桜宮「んー？いいよー」


「……って私の意見無しで進めるんかい！」


薬研に軟膏を頬に塗られていたすずは、話が思わぬ方向に進んでいたため勢いでツッコミを入れたが、それも虚しく加州と桜ノ宮は聞いていない。


「しかも桜ノ宮！ノリが軽い！軽すぎよ!?」


桜宮「えーだって面白そうだし？」


「あ、ダメだ……。この子、私と思考回路が一緒だから、自分が面白そうって思ったらどこまでも突っ走る子だった……」


薬「そうなのか？」


項垂れるすずを意外そうに見つめる薬研。


「そうなの。昔の私もそうだったんだけど、あの子は『自分が興味を持ったら、知らない人にも付いていっちゃう子』だから……」


薬「ちょっと待て大将。あんたも危機管理能力を持ってくれや」


すずの予想外の発言にツッコミを入れる薬研。

だから昔って言ったでしょー、と反論するすずだが、薬研は疑わしい眼差しで彼女を見る。


加州「じゃあ主と近侍を掛けて勝負するよ！」


桜宮「わかった！早く鍛練場に案内してよ！……えーっと『清光』!!」


加州「お前に清光なんて呼ばれる筋合いはない！」


えーさっきそう呼んでって言ってたじゃん、と言う桜ノ宮とあれは主に言ったの！お前に言ったんじゃない!!と怒る加州。

そんなことを言い合いながら、二振りは先に行ってしまった。


和泉「……あいつら、意外に仲が良いだろ……」


「……そうね。私もそう思う」


薬「……つか、桜ノ宮が受け流すのが上手いんじゃないのか？」


皆、二振りを見送りながらそれぞれ呟いた。



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